愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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夜のピクニック 21:54
評価:
Amazonおすすめ度:
ミステリータッチのさわやかな青春映画
私には合わない映画だった
秀作。バランスが取れた、雰囲気のある作品。
2006年
監督:長澤雅彦
脚本:長澤雅彦、三澤慶子
出演:多部未華子、石田卓也、郭智博、西原亜希、貫地谷しほり、松田まどか、柄本佑、高部あい、加藤ローサ

原作は確か2、3年前に『本屋大賞』を受賞した恩田陸さんの小説。まだこの『本屋大賞』が本来の機能を果たしていた時期ですね。さて、映画の方はと言うと、下手な小細工をしなければ、こじんまりとした佳作になり得たものを、演出と音楽が全て台無しにしているような印象を受けました。まるでテンプレートのように、回想シーンと共に興を削ぐBGM(しかも歌付き)が流れ出し、それが歩行祭の一部とワンセットになってただひたすら繰り返される、この芸の無さに辟易。かと思えば、さほど効果的とも思えない実写とアニメーションの共存を試みてみたり、唐突でなんの意味も成さない幻想的描写(バスのアレです)を挿入したり。演者の好演もむなしく、原作の魅力に迫るには至っていない。NHKで放映されていた実際に行われている歩行祭を追ったドキュメンタリーのほうがよほど面白かった。しかし、多部未華子さんの素朴な感じは実に良いので、このまま垢抜けないでいてほしい。
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プラネット・テラーinグラインドハウス 23:20
2007年
監督/脚本:ロバート・ロドリゲス
出演:ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス、マーリー・シェルトン、ジョシュ・ブローリン、マイケル・ビーン、ジェフ・ファーエイ、ステイシー・ファーガソン、ナヴィーン・アンドリュース、ブルース・ウィリス

幸い、『デス・プルーフ』の時と違い、血迷った老夫婦がいらっしゃらなかったこともあり、誰の目を気にすることもなく、存分にこの下品で猥雑な世界を堪能することが出来ました。偽予告編『マチェーテ』にニヤニヤ笑い、本編では初っ端からのフル・スロットルにアドレナリンは全開。確かに本作のハイ・テンションを経て辿り着く『デス・プルーフ』はまた違った意味を持つのかもしれない。

さて本作、有象無象のゾンビアクション映画としては異例の傑作と言っても過言ではないかと。『シン・シティ』同様、さすがにこの手の作品を撮らせるとロドリゲス監督は上手い。まず、登場人物が多いわりにコミック的なキャラクター描写が功を奏し、無駄な混乱を招くことを上手く回避している。尚且つ、その多い登場人物たちの画面からの消し方、要するに殺す順番が的確で、むしろよくここで殺してくれたと喝采を送りたくなるほど。ただ、欲を言えばもう少し注射器ママに活躍の場を与えてほしかった。

ところで、本作と『デス・プルーフ』は共に“オンナ(たち)”の映画だったわけですが、その人物像はどちらも“ビッチ系”、“やさぐれ系”でした。こうした役が似合う日本の女優って今現在だと土屋アンナさんくらいですかね。沢尻エリカ様はビッチ系というよりブラック・アイドルですし。女優志望の方はこの分野を開拓してはいかがでしょうか。需要もあるでしょうし、何よりライバルが少ない今がチャンスです。
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DEATH NOTE デスノート the Last name 03:23
評価:
Amazonおすすめ度:
こ、これは面白い!
原作と異なるラストの展開はみる価値あり
漫画原作の映画として異例の良作
2006年
監督:金子修介
脚本:大石哲也
出演:藤原竜也、松山ケンイチ、戸田恵梨香、片瀬那奈、マギー、上原さくら、中村獅童、池畑慎之介、藤村俊二、鹿賀丈史

前作のアレンジ具合(主に南空ナオミ絡み)に納得がいかなかったこともあり、意外と言っては失礼かもしれませんが、期待値を上回る出来にかなりの満足感を得られることができました。原作には特に強い思い入れもなく、映画化決定後、マン喫でパラパラと飛ばし読みした程度なのですが、よくぞここまでコンパクトにまとめられたものだといたく感心。ジャンプ漫画特有の無理な引き伸ばしを的確に削り、新たな展開を取り入れる、すなわち引き算と足し算のバランスが秀逸であり、この手際の良さは今後、漫画原作モノの教科書足り得るのではないでしょうか。

前編より面白いのはライトとLの直接対決、丁々発止の駆け引きが全面に押し出されているからであり、それはそうだとしても誰もが尻込みするであろう、勝ち目の薄い戦(人気漫画であり、膨大な情報量を持つという意味で)を前に堂々と立ち振舞った金子監督の采配は評価すべきと思う。下手に自己主張をせず(片瀬那奈の脚への執着はご愛嬌)、原作の面白さを最大限に引き出そうとしたその姿勢は職業監督の鑑と言ってもよい。振り返ってみれば、『デビルマン』にはじまり『キャシャーン』、『キュティーハニー』、『あずみ』(あっ、『あずみ2』は金子監督だった……)と蹂躙されてきた中で、『デス・ノート』は屍の山に一輪咲く小さな花のよう。確かに群集の描かれ方なんかはチープな学芸会のようでもあるが、野暮は言うまい。今はこの悦びをそっと噛み締めていたい気分なのだから。
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ラストデイズ 17:41
評価:
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不安だろ?
オルタナティブな作品
自殺
2005年
監督/脚本:ガス・ヴァン・サント
出演:マイケル・ピット、ルーカス・ハース、アーシア・アルジェント、スコット・グリーン、ニコール・ヴィキューズ、リッキー・ジェイ、ハーモニー・コリン、キム・ゴードン

仮に『グッド・ウィル・ハンティング』や『小説家を見つけたら』が映画監督ガス・ヴァン・サントを構築する上での伏線だったとするなら、そのしたたかさには舌を巻きますが、どうにもこの『エレファント』路線には共鳴できないわけです。意図的にハリウッドの映画文法を放棄、あるいは排除していることは明白ながら、果たしてそれがいわゆるアート系作品群の持つ、良くも悪くも独善的な強度を勝ち得ているのかと言えば、私には疑問符が浮かぶ。

ただ、その掴み所のないフィルモグラフィーも持つガス・ヴァン・サントという映画監督に興味を惹かれるのは紛れもない事実なわけで、それは立派に彼の魅力となり得ている、とも思う。ドンピシャ世代ながらニルヴァーナに強い思い入れのない私は、この様な作品を捧げられてカートがどのような表情を見せるのか想像もつかない。相好を崩すのか、あるいは苦笑するだけなのか。

中学時代、熱狂的ニルヴァ−ナファンの深見(仮名)という親友がいた。三年の秋頃だったろうか、音楽教室で彼がポロポロと奏でるクラシックギターの音を聴きながら、私はボーッとしていた。気付くとギターの音はいつしか止んでいた。彼は同級生の江口(仮名)とニルヴァーナについてなにやら話し込んでいたのだ。江口はからかわれやすい体質の持ち主で、その癖、気が強いという変わり者であった。特に興味のなかった私は少し離れた場所から二人の姿を眺めていた。しかしはっきりと二人の間に薄暗い陰が広がっていくのを肌で感じた。きっと江口の知ったかぶりが深見のニルヴァ−ナ愛を刺激したに違いない。温厚な深見は私にも見せたことのない鬼気迫る形相をしていた。これは危ない、私が咄嗟にそう思うよりも早く、深見は手にしていたギターのネックで江口の額をぶん殴った。我が目を疑いながら、あの優しい深見をして狂わせるニルヴァーナというバンドの偉大さを知ったのだった。幸い江口の怪我は軽傷に済んだ。
もう秋ですね。
| 映画 ラ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
魔女の棲む館 17:39
評価:
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ちょっと、がっかり。
海外ホラー映画ファンなら、必見でしょっ。
巨匠の今を知る価値あるBOX
2005年
監督:スチュアート・ゴードン
脚本:デニス・パオリ、スチュアート・ゴードン
出演:エズラ・ゴッデン、スーザン・ベイン、ジェイ・ブラゾー、アンソニー・ハリソン

引き続きマスターズ・オブ・ホラーより。
原作は H・P・ラヴクラフト。
設定そのものはホラーというよりナルニア国的なファンタジーに近いですね。単品としてはそれほど悪くない仕上がりながら、この錚々たる面子の中では分が悪かった。原作が原作ですからこれ以上要求するのも酷というもの。ゴードン監督は相応の仕事を成されていたと思います。

| 映画 マ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
世界の終り 18:44
評価:
Amazonおすすめ度:
カーペンター・ファンなら買うべき作品!!
2005年
監督:ジョン・カーペンター
脚本:ドリュー・マクウィーニー、スコット・スワン
出演:ノーマン・リーダス、ウド・キア、クリス・ブリットン、グウィニス・ウォルシュ、コリン・フー

引き続きマスターズ・オブ・ホラーから。
ああ、もう……。だからカーペンター先生って嫌いになれない。これは紛れもなく傑作!全面支持!全面擁護!本作の前ではタランティーノの映画愛なんて霞んでしまします。いいですか、カーペンター先生はこうおっしゃっているのです(多分)。
「映画は時に人を狂わせる。しかしたかが映画。まず、生きよ」と(多分ね)。
荒井晴彦氏も著書『争議あり』の中で、脚本家を目指すにあたり、まず“日常を生きた”というようなことを書いておられた。まったくその通りだと思う。
いまのところ『インプリント』と迷うけれど、私はこっちが大好きです!
| 映画 サ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
ヘッケルの死霊 18:16
2005年
監督:ジョン・マクノートン
脚本:ミック・ギャリス
出演:デレク・セシル、ジェラルド・プランケット、ジョン・ポリトー、トム・マクビース、スティーヴ・ベーシック、ミッキー・マウンセル、リーラ・サヴァスタ、ジル・モリソン

引き続きマスターズ・オブ・ホラーの一作。
これはケタケタ笑いながら観るべき内容でしょうね。だってストーリーを掻い摘んで言うと、性欲旺盛な後家さんが亡き夫の生ける屍と夜な夜なハッスルしているという……。これが笑わずにいられましょうか。オチもまあそれしかないよな、という意外性のない無難なものですし。まるで汁男優のように“まぐわい”を取り囲む死霊の群れがなんともシュール。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
ダンス・オブ・ザ・デッド 17:58
2005年
監督:トビー・フーパー
脚本:リチャード・クリスチャン・マシスン
出演:ジョナサン・タッカー、ジェシカ・ロウンデス、ライアン・マクドナルド、カレン・オースティン、ロバート・イングランド、ジュヌヴィエーヴ・ビークナー

インプリント』同様、マスターズ・オブ・ホラー内の一作ですが、ロバート・イングランドの怪演に幾分救われてはいるものの、これは脚本(特に後半)に難がありますね。ゾンビを絶対的恐怖の対象としてではなく、ある程度人間によってコントロール可能なものとする設定というのは、総本家ジョージ・A・ロメロの路線が意識されいるようにも思えます。効果的とも思えないフラッシュのエフェクトも些か邪魔に感じました。トビー・フーパーの熱烈なファン以外、観る価値はあまりないかと。
| 映画 タ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
死霊のはらわた 12:30
評価:
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凄いですよね
サム・ライミのこだわり
スプラッターホラーの金字塔
1981年
監督/脚本:サム・ライミ
出演:ブルース・キャンベル、エレン・サントワイズ、ハル・デルリッヒ、ベッツィー・ベイカー、サラ・ヨーク

現在の観点からこのチープさを笑うのはたやすいことですが、やはり当時エポックメイキングであったことは間違いないわけで。個人的にはとりわけ終盤15分くらいがの出来がすこぶる良いと思いますね。台詞も一切なく、小さな小屋で悪霊も見えない状況ながら、この緊迫感を保っているのが凄い。怪物たちが朽ちていく描写なんて「あれっ、ヤン・シュバンクマイエルの映画だっけ?」と、勘違いしてしまいそうにはなりますが。
やはり大物の処女作というのは得体の知れぬパワーを孕んでいるものです。
| 映画 サ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
ヨコハマメリー 12:18
評価:
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語り継がれるべき女性の一生
横浜娼婦な証言譚
どうか偏見なく観て欲しい。陰の戦後史に生き抜いた者たちの信念と魂の物語。秀作!
2005年
監督:中村高寛
出演:永登元次郎、五大路子、杉山義法、清水節子、広岡敬一、団鬼六、山崎洋子、大野慶人、福寿祁久雄、松葉好市、森日出夫

メリーさんの存在を初めて知ったのはいつだったろう。やはり中島らも著『白いメリーさん』だろうか。いや、でもそれ以前から知っていた気がする。それはともかく、どの街にもちょっと気になる人っているもんですよね。私が利用する駅でもでっぷりと太り、しかも禿げちらかしたオカマさんと稀に遭遇し、ギョッとしたりするものです。これが誇張なしで『ピンクフラミンゴ』のディバインそっくりなんですね。他にもぶつぶつ独り言を呟きながら、四六時中とある交差点に佇む迷彩服を着た女性(しかも丸刈り)もいます。おそらく私以外にも気になっている方が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

そんな“気になるあの人業界”で横浜のメリーさんは群を抜く知名度を誇っていた、と。私ですら知っていたくらいですから。ちなみにこれぐらい白塗りのおばあさんって私も見たことがあります。車を運転してる時にすれ違ったんですね。やっぱり見慣れないのでギョッとした覚えがあります。名古屋駅の西口にも80歳近い現役の娼婦が立っているなんて噂を聞いたことがありますし、案外、全国津々浦々メリーさん的な方っているのかもしれない。そんな中である意味、横浜のメリーさんは周囲の人々に恵まれていたんですね。シャンソン歌手の永登元次郎さんをはじめ、クリーニング屋の奥さん、美容院の奥さん、根岸家の座敷芸者さん、等々。

「メリーさんが使ったカップはイヤだ」なんてクレームを受けた喫茶店が、メリーさん専用のカップを用意しただなんて粋じゃありませんか。お茶に誘った化粧品屋の奥さんは頑なにメリーさんから拒まれた、それをご主人に話すと、ご主人はこう言ったそうです。「娼婦の仲間と思われないように、メリーさんが気を利かせてくれたんだ」と。勿論それはご主人の勝手な推測なんだろけど、施しを嫌う、根岸家のおねえさん曰くプライドの高いメリーさんらしいエピソードだと思う。

“作品”としてはまず、題材がぶっちぎりで面白い。尚且つ、その見せ方、構成がこれまた素晴らしい。記録映画でこんなカタルシスを得られるとは。この“忽然と姿を消した人”を追う展開っていうのは、例えば宮部みゆきさんの『火車』と似ていなくもない。いや無論、媒体も違えばフィクションとノン・フィクションという大きな違いはあるのですが、それぐらいによく出来た構成なんですよね。横浜という複雑な事情を抱えた街とそこに生きる、生きた人々、伊勢崎町の戦後史を具現化した象徴としてのメリーさん、きっと私なんかには到底想像もつかない、ここでは触れられなかった業も背負っているのかもしれない。しかしながら、一体誰に彼女の生き様を否定することが出来るだろうか。泥臭く、しかし美しく生きたメリーさん。明日から我が街のディバインにも優しい眼差しを送りたいと思います。
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