愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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怪奇大作戦 セカンドファイル ゼウスの銃爪 14:21
評価:
Amazonおすすめ度:
エンディングは「恐怖の町」にして欲しいなぁ…。
科学に恐怖する
演出:清水崇
脚本:中野貴雄
出演:西島秀俊.田中直樹(ココリコ).青山草太.美波.寺田農.岸部一徳

NHKと円谷プロが共同制作した怪奇大作戦の新シリーズ。
実相寺昭雄監督の悲願であったそれをJホラーの有志が引き継いでいます。
演出は『呪怨』の清水崇監督。脚本の中野貴雄さんは先日観た『花井さちこの華麗な生涯』の脚本家と同一人物ですよね?

やはり昨今の特撮ヒーローものと共通するビデオ映像の質感という課題があって、本シリーズが持つ独特のおどろおどろしさは希薄なんですが、こうした企画そのものは非常に有難いですし、積極的に支持していきたいですね。

本作のアイデアは『デス・ノート』に酷似しています。
これ以上言及するとネタバレになるので控えますが、某国の工作員だの、天才ハッカーだの、社会問題を絡めたりなど、興醒めするか微笑ましく思うかは受け手次第というところでしょうか。個人的には『花井さちこーー』が想起されて中野さんはこういった大風呂敷を広げるが好きなのかしら、と興味深く拝見しました。

4月の頭にBSハイビジョンで放送されたそうですが、地上波では次回の放送が7/15、7/22となっています。興味のある方は是非。



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監督・ばんざい 22:29
否応にも比較される宿命を背負った『監督・ばんざい!』と『大日本人』ですが、まるで申し合わせたかのように方や80年代前半、方や90年代前半の“お笑い”を日本に流布した宣教師たちによる有り難迷惑な踏み絵と化しています。

例えるなら、痩せ細ったとは言え、昔とった杵柄で腕力に自信のある祖父と腕相撲をしてみると、その5歳児並の腕力に哀しくなり、はらはらと頬を伝う孫の涙を見て祖父が一言「あれっ?そんなに痛かったか?」と逆に心配されてしまった時のようなセンチメンタルな気分と似ていなくもない。
「イタい……、イタいよ、おじいちゃん……」
「ごめん、ごめん。じゃあ今度は左手でやってみるか?」

ジダンの頭突き、亀田選手、マトリックス、この時期外れなネタのセレクト具合が端的に全てを物語っていると思われます。『世界まる見え!テレビ特捜部』でビート氏が毎度扮装をして現れるとき、ほとんどそれは誰も見なかったことにしてくれている周囲の配慮に、ビート氏はもっと感謝(もしくは激怒)すべきではないでしょうか。

アカデミックに邦画界の現状が解読されていくわけでもなく、斬新なロジックが提示されているわけでもなく、興行的成功を横目で見てフフンと鼻で笑う余裕も感じられない。

北野監督が非難する井筒監督の方が(ここでは『パッチギ!LOVE&PEACE』を批判しましたけど)、よほど映画を作る態度としては大人ですし、ハリウッドで定期的に生産される『最終絶叫計画』のようなパロディ・シリーズの方がまだ可愛げがあります。モンティ・パイソン、ましてジョン・ランディス監督の『ケンタッキー・フライド・ムービー』と比肩するのも愚かしい。

ところで、よくテレビ番組は無料、映画は有料、だからつまらない映画を観ると腹立たしいなんて論調が散見されますが、テレビ番組だって決して無料じゃありませんよ。例えば新発売の化粧品のCMが番組スポンサーにつけば、その商品にCM代金が上乗せされているんですから。テレビCMで流れている商品は例外なく全てそうです。その商品を買ったお金が間接的にテレビ局に流れ、出演者のギャラになっていくわけです。

なんの話かと言うと、ここまでテレビタレントさんを増長させてしまったのは我々一般大衆の側にも責任があるということです。まあ、こんなところで声を大にしなくてもこの映画に人は入らないでしょうが、一種の議決権であるお金をむざむざドブに捨てる必要もないので注意を呼びかけたいと思いました。

しかし皮肉にも内容が空虚なので北野監督の卓越した“映画術”が浮き彫りになるというパラドックスが起きているんですよね。さすがに達人です。例えば美術館内での描写、例えば空手道場内での描写等々……。もうこうした“俺が俺がタイプ”の監督さんは無理矢理にでも原作を与えてその上で自由にやれ、と首に縄を巻くのがプロデューサーの仕事でしょう。で、それがよく出来たら30分ぐらいの短編を好き放題やらせてあげればいい。黒沢清監督然り、押井守監督然り。

奇を衒い過ぎて映画未満のコントであったのが『大日本人』なら、『監督・ばんざい!』はコント未満の映画でしかありませんでした。しかし強制的に二者択一を迫られたなら、私は迷わず『監督・ばんざい!』を選ぶでしょう。断っておきますが、『大日本人』では数カ所で笑いましたが、本作では既視感満載のギャグにクスリとも出来ず、むしろ欠伸を連発していましたし、『監督・ばんざい!』を二度と観ることはないでしょうが、『大日本人』はもう一回DVDで観直してもいいかな、とすら思っています。
では何故か?
それは泣けたから“いい映画”ではないのと同様の意味に於いて。
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重松清「愛妻日記」より 煙が目にしみる 22:09
本作は重松清さんの小説『愛妻日記』を原作とした企画物(?)の第6弾です。夫婦間の性愛をテーマにしているという点でフルモーションレーベルの作品が想起されます。と思ったら監督の亀井亨さんはそのフルモーションレーベルの第1弾『QUESTION』と第2弾『マグマのごとく』の監督も務めていらっしゃるんですね。

私が本作を鑑賞した動機は、心の師匠である荒井晴彦さんがこの企画全体の脚本監修を務めていると知ったからです。荒井さんと言えば近年では廣木隆一監督と共に傑作『ヴァイブレータ』で、官能のゴッドファーザーとしての実力をまざまざと見せつけてくれたことに、私などは快哉を叫びました。

ストーリー紹介
子作りのために夫に禁煙を命じていた妻。しかし夫は煙草の煙にひかれ、ショートピースを吸っていた女子高生と援助交際をしてしまう。その臭いに気づいた妻は激しい嫌悪感を示す。ショートピースの臭いに異常なまでに反応する妻の隠された過去とは…。
(「Oricon GE」データベースより)

主演は不二子さんと木下ほうかさん。重松さんの原作は未読なんですが、なんと言いますか“トラウマもの”なんですね。DVDに収録されている予告を見ると、どうやら他にも“トラウマもの”があるようです。個人的には食傷気味なので、展開がそちらに向かい始めた瞬間から少しげんなりしてしまいました。

トラウマってそんなに引きずるものなんですかねえ?まあ程度によるのでしょうが、本作のトラウマってそこまで衝撃的でもないし、これ以上はネタバレになるので控えますが、何故記憶障害になったのか、という説得力も欠けているように思いました。確かに物語のアイテムとしては便利ですが、安直とも背中合わせかな、と。この辺りも原作を未読なので、責任の所在が原作にあるのか脚本段階で削られたのかは不明です。

なんと言っても60分少々の尺しかありませんからね。だらだらと長ったらしい作品が多い昨今、この潔さは好感が持てます。私にとってゴダールの偉大さは、90分前後に作品をまとめてくれることだったりします。

全編に緑がかったエフェクト処理が施されていて、唯一夜の街並なんかはネオンの灯りがあるのですが、ほとんどモノクロと形容してもいいほどに色彩を欠いた映像となっています。フルモーションのいくつかの作品もそうですが、Vシネマのセクシードラマ的な野暮ったさからの脱却を図っているのか、スタイリッシュさをかなり意識して作られているんですね。

人によっては鼻につくであろうそういった演出も、所詮はポルノという現実がいくらか緩和材となって働きます。私はこういった試みは“あり”だと思いますね。瀬々敬久監督をはじめとするピンク四天王がポスト・日活ロマンポルノであったなら、その系譜をいまおかしんじ監督らが継承し、フルモーションレーベルを含めてここに“ポルノ・オルタナティブ”の蕾が花開こうとしているのではないでしょうか。

家出した妻が見知らぬ土地の電話ボックスから自宅に電話をするくだり。そこで夫婦はいわゆるテレフォンセックスを試みるのですが、地面は一切濡れていないのにも関わらず、電話ボックスだけが雨粒に濡れている。そんないかにもな演出も嫌いじゃありません。

ある種滑稽とも思える妻のトラウマも、その境界線を踏んでいるようにも感じるのですが、ぎりぎり許容範囲といったところでしょうか。その点、あらかじめ性愛など滑稽なものである、と開き直っているようないまおか監督はさすがに上手い。

このシリーズ、もう少し追って考えてみたいと思います。
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GOAL! 2 22:07
非常に贅沢な映画でした。が、中身は大味極まりない。
とは言え、それは野暮というものですし、期待するのも酷でしょう。前作も出来過ぎたサクセスストーリーを、スポ根的なノリと勢いで押し切った感は否めませんでしたし。今作の監督を務めたのはジャウマ・コレット=セラ、2005年に『蝋人形の館』というスプラッタ映画を撮っていますね。

本作の醍醐味はスクリーンに映し出されるスーパースターの勇姿にうっとりする、もしくは好きな選手の登場に一喜一憂する、これに尽きます。もう物語なんてどうだっていい。ピーチクパーチクうるさい(ホントにうるさい!)婚約者ロズ(アンナ・フリエル)も、手癖の悪い腹違いの弟も放っておけばよろしい。淡白な試合展開も、サンティアゴ(クノ・ベッカー)の『キャプテン翼』みたいなシュートだってこの際、許そうじゃありませんか。

少なくとも映画としては子供騙しですが、壮大なレアル・マドリードのプロモーションビデオだと考えれば非常に価値ある一本です。あるいは『ウイイレ』や『サカつく』なんかでオリジナルキャラを作った感覚でもいいでしょう。ただ、ゲームしながら妄想した方が楽しいという人も少なからずいるでしょうね。その気持ちもよく判ります。

本作は昨年度のチャンピオンズリーグで快進撃を続けるレアル、という設定であり、決勝トーナメント第1戦で敗退という現実を知る身としては、そこはかとない空虚さが時折押し寄せるのではありますが……。

それにしてもガバン役を演じたアレッサンドロ・ニヴォラさんはパッと見た印象がデル・ピエロ選手に似ていますよね。名前も同じくアレッサンドロですし。

最後に主演のクノ・ベッカーとセラ監督の面白いインタビューがあったので紹介しておきます。
Q、レアル・マドリードの選手達は幸せそうに見えましたか?
クノ:根本的にはみな幸せだと思うよ。ロナウドは色々あってそれほどでもないって聞いたけど。

Q、本物の選手の出演シーンも前作より多いわけですが、演技に問題はなかったのでしょうか?
監督:問題はたくさんありました(笑)。プレイ中ではないオフの場面で、カメラの前でスムーズに喋れる選手と、そうでない選手がいるんです。例えばロナウドはCMもやっているはずですが、ボールを持っている時とそうでない時ではテンションがあまりにも違う(笑)。

ロナウド……君は……。
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くノ一五人衆VS女ドラゴン軍団 22:03
評価:
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蒼井そらが立派
実に奇妙な作品でした……。目くじらを立てて罵倒するのも大人げないと言うか、そもそも健全な大人なら普通はまず観ないでしょう。本音を言えば「くだらない」の一言で片づけてしまいたいのですが、無駄な情熱が注がれていたので、少し考えてみたいと思います。

主演されているのは蒼井そらさん、そう聞いて淡い期待を寄せる殿方を、監督の谷垣健治さんは見事に裏切ってくれます。この谷垣監督、良い意味で“カンフー馬鹿”なんですね。

倉田アクションクラブ出身である谷垣監督はカンフーの本場、香港で経験を積んだ、言わばカンフーのエキスパート。要するに殺陣師みたいな方でしょうか。そんな経験を活かして谷垣監督は、様々な作品でアクション指導をされてきたわけです。

私の知り合いにも“カンフー馬鹿”はいますが、彼らを見ていると一つのジャンルに固執する様はある意味非常にオタク的です。おそらく谷垣監督もカンフー映画オタクなのでしょう。『映画秘宝』の座談会などを読んでいるとそれは十二分に伝わってきます。自分の大好きな分野で飯を食っているのだから、谷垣監督は幸せでしょうね。オタクの鑑です。

で、本作の話に戻すと、予算がアイデア(脚本)に見合っていないものだから、衣装や小道具、舞台に出演者(失礼)に至るまでチープな出来となっています。まあ、タイトルからその辺は期待していなかったのですが、それにしたって目に余るクオリティーなんですね。

本作の特徴はあくまでも日本製香港(カンフー)映画にこだわったことにあるでしょう。故に出演者が全て日本人なのにも関わらず、台詞は全て吹き替え、それも声は別人という腑に落ちない作風となっています。それは、いわゆるアフレコとは全く意味合いの違うものです。

『プロジェクトA』の記事でも触れたように、我々日本人が抱くカンフー映画、もっと言えばジャッキー映画のイメージを再現、あるいはエッセンスだけを抽出していく、というのが本作の目的と化しているのです。まさにこれはマカロニウエスタンならぬ、テンプラカンフーとでも言いましょうか、ジャンルを優先した結果の違和感が全編を覆っているんですね。

ただ、その違和感は我々が日本人であるからこそで、アングロサクソンからすればとるに足らぬ問題なのでしょう。だからこそ『SAYURI』にチャン・ツィイーをキャスティングしたりしてしまうわけで。

本作を観ていると、格闘シーンにおける“やられ役”の技量がいかに重要かがよく判ります。どのような経緯で本作が誕生したのかは知る由もありませんが、谷垣監督もさぞや不本意だったでしょうね。

無論、同情の余地はあるのですが、敢えて苦言を一つだけ。
本作の根本的な欠陥は脚本だと思うのですが、もう一つは谷垣監督が総合演出を任されてしまったことにあるでしょう。谷垣監督はカンフーアクションのプロであり、映画監督のプロでは決してない。例えば『日本沈没』の樋口真嗣さんや『キャシャーン』の紀里谷和明さんもそうですが、彼らはある事柄(アクションであったりCGであったスタイリッシュな映像であったり)に特化したエキスパートなわけで、映画監督という特殊な技能の持ち主ではないわけです。

いずれの作品も適材適所を誤った必然的な結果だと思います。但し、谷垣監督に変な下心がないので、どこか憎めない作品でもあるんですよね。
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空中庭園 02:36
評価:
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ペルソナ家族の再生
なんかよく分からなかったなぁ〜‥
なかなかよかった
角田光代さんの原作は未読なんですが、私の妻が文庫を所持しているので今度読んでみたいと思います。一言で言えば“仮面家族”のお話でしょうか。しかし、角田光代×豊田利晃って奇妙な組み合わせですよね。私は“有り”だと思いました。角田さんの静謐な毒に豊田監督の即物的な毒が過剰なまでにてんこ盛り、それによって本作は恐怖映画さながらの雰囲気を孕んでいます。

やや冗長とも思えるイントロダクションに始まり、画面は終始安定しません。公開直前に報道された豊田監督の覚せい剤取締法違反による逮捕、という後付けの理由からすれば、それにも一応の納得はいくのですが。

とは言え、私は好意的に観ました。この映画が勝利しているとすれば、その要因候補の筆頭にロケーションを挙げたいと思います。ロケハン班のお手柄ですね。小高い丘にぬっと現れる、あの階段状になったマンションの不気味さと言ったらありません。

高校生の娘(鈴木杏)をして「なかったら死んじゃう」とまで言わしめる『ディスカバリー』なる大型ショッピングモールを含む、新興住宅地が持つ無機質で一種独特な人工的冷ややかさ、そういったナイーブな側面を、登場するロケーションは見事に体現していました。

ただ、ラブホテル『野猿』の内装だけはちょっといただけません。ダサくて利用したこと自体がカッコ悪いという文脈なのに、妙に小洒落ているんですね。ママ(小泉今日子)の衣装は主婦然としたものを忠実に再現しているのに、どうしてそんなところでお洒落映画じみた見栄を張るのか理解に苦しみます。

登場する人物は皆一様に頭のネジが一本外れているのですが、さっちゃん(大楠道代)だけは素行不良なだけで唯一精神構造はまともな人間だと思いました。バスに揺られて万引きで捕まった中学生の孫(広田雅裕)を引き取りに行き、その足でラブホテルに連れ込んだ家庭教師(ソニン)を一喝するくだりなんてかっこ良かったですね。

バスと言えばこの映画、やたらとバス車内のシーンが多いんですね。ジャケットからして物憂い表情でバスのシートに埋もれるママの写真ですし、パパ(板尾創路)と二人の子供たちが通勤通学に利用しているのがバスだから幾度となくバスが登場します。

印象的なのはジャケットにも使われているシーンとバスがトンネル内で軽い事故を起こして立ち往生し、中学生の息子と家庭教師が閉じ込められるくだり、ラストシーン近くで土砂降りの中をパパと子供たちを乗せたバスが走り、その車内で修復される家族関係などでしょうか。
言うなれば、バスに揺られる仮面家族の成長物語です。

血の雨に関しては行き過ぎの感が否めませんが、随所に散見されるギャグはきまっていて効果的で、『ナイン・ソウルズ』なんかも奇妙な映画だなと面白く観ましたし、これからを期待していた監督さんなのでまったく馬鹿なこと(覚せい剤)をしたもんだと、残念に思います。
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