愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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アポカリプト 14:28
評価:
Amazonおすすめ度:
家族愛がテーマ?
元アクション俳優が撮った完璧なアクション映画
で、なにを描きたかった?
監督:メル・ギブソン
脚本:メル・ギブソン、ファルハド・サフィニア
出演:ルディ・ヤングブラッド、ダリア・エルナンデス、ジョナサン・ブリュワー、モリス・バードイエローヘッド、ラウル・トゥルヒロ、ジェラルド・タラセナ、ロドルフォ・パラシオス

もう『悪魔のいけにえ』くらいなら笑って見ていられるんですが、これは怖い。超怖い。人間の根源的な恐怖心(本作はそれを克服する物語でもあるのですが)に訴えかけてくると言いますか、人権のジの字もない社会の恐ろしさ、理屈の通用しない世界、そういったものが物語後半、怒涛のように押し寄せ、我々観客の精神を疲弊させます。

ところで、そんな物語の構造は至ってシンプル。しかしシンプルであるが故に、例えば父親を殺された本作の主人公ジャガー・パウと、彼に息子を殺された傭兵部隊のボスとの対決(またその決着のつけ方も伏線が活かされておりお見事)など、どこか物語は神話性、あるいは寓話性を帯びています。このことも含めてメル・ギブソン監督の前作がキリストの受難を描いた『パッション』であったことを鑑みれば納得というもの。

そうした物語の根底に流れる深刻なテーマがあるにはあるのですが、そんな事を忘れさせてしまうほど、緊張感に手に汗握るアクション映画としての出来が素晴らしい。こんなに主人公を応援したのはいつ以来でしょうか。また彼がいい男というか、いい顔するんですよね。的確な描写、且つ必要最小限の説明、とても第2作目とは思えない良い仕事をされています。メル・ギブソン監督の今後の活躍に期待大。
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ボーン・アルティメイタム 04:51
監督:ポール・グリーングラス
脚本:トニー・ギルロイ、スコット・Z・バーンズ、ジョージ・ノルフィ
原作:ロバート・ラドラム
出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン、パディ・コンシダイン、アルバート・フィニー、ジョーン・アレン、ジョーイ・アンサー、エドガー・ラミレス

どうなんでしょうねぇ、全編通してほぼノンストップ・ハイテンションなわけですが。確かに前半の新聞記者が駅で追い詰められていくシーンなんかはグリーングラス節が炸裂していて迫力満点だし、その顛末もまたリアリティがあって面白いと思ったのは事実。では何が引っ掛かるのかと言うと、それはポール・グリーングラス監督の前二作『ボーン・スプレマシー』、『ユナイテッド93』でも強く感じたように、印象的な画がほぼ皆無であるということ。すなわち、ボーン・シリーズのような荒唐無稽なお話でも、さらには『ユナイテッド93』のように極限までリアリティーを追求した場合でも、まるでテレビの報道カメラのごとき切り取り方によってある程度の水準をクリアすること、物語=フィクションを構築することが可能である、とポール・グリーングラス監督は確信を得たのに違いないわけで。

なるほど確かにその甲斐あって先述した駅での攻防や、ハリウッド映画においては白眉とも言える格闘シーン(まあでも、この手の撮り方なら深作欣二監督がいますからねぇ)、カーチェイスなど目を見張る描写は冴えている。しかしながら、少なくとも私には本作を観終えた後、胸の奥に沈殿し、反芻するような“画”は残らなかった。翻ってそれが映画の良し悪しを決定づける問題なのかと言えば口篭もってしまうのも正直なところではあるのですが、個人的にはやはり寂しい気もするのです。せめてあの手法がアクションに限定されたものであれば、また印象も変わってきたのでしょうが。とは言え、けっしてつまらない映画というわけではないのですが、もう一度観たいという気には残念ながらなりませんでした。
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ヘアスプレー 00:13
評価:
Amazonおすすめ度:
毎日がHappy★
映画館へ6回行きました。
映画も絶対お勧めです!
監督:アダム・シャンクマン
脚本:レスリー・ディクソン、ジョン・ウォーターズ
出演:ニッキー・ブロンスキー、ザック・エフロン、ジョン・トラヴォルタ、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、クイーン・ラティファ、アマンダ・バインズ、ジェームズ・マーズデン

ジョン・ウォーターズ先生のオリジナル版はこの際置いておくとして、ブロードウェイ・ミュージカルを下手な小細工無しにここまでストレートに描ききった勇気は素直に賞賛すべきかと。こういうのがアメリカの底力なのかもしれない。古い作品のリメイクなのだから当然キャラクターからストーリーまで(やや露骨なまでに)既視感に溢れていながら2時間以上もの長尺を見せきってしまう仕事ぶりは、これはこれでもう立派なことである。ニッキー・ブロンスキーのコロンコロンとしたダンスや笑顔のキュートっぷりは言うに及ばず、年齢を感じさせないミシェル・ファイファーの美しさ、“売り”の一つでもあるトラボルタの好演も光る。キャスティングはまさしく適材適所。無論、肝心の(と言うか作品の90%以上を占める)歌と踊りも素晴らしい。

余談ながら、上映開始5分前に劇場に入ると、私の二つ隣の席には30歳前後と思しきがっちりした体つきの黒人男性が連れの女性(おそらく日本人)と座っておられた。果たして鑑賞後、彼がどんな感想を抱いたのか、テーマがテーマ(人種差別だとかそういうの)だけにちょっと訊いてみたい気がした。
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クローズZERO 00:18
評価:
Amazonおすすめ度:
どちらかと言えば。
監督:三池崇史
脚本:武藤将吾
原作:高橋ヒロシ
出演:小栗旬、山田孝之、やべきょうすけ、高岡蒼甫、黒木メイサ、桐谷健太、上地雄輔、小柳友、渡辺大、深水元基、伊崎右典、伊崎央登、松重豊、塩見三省、遠藤憲一、岸谷五朗

原作である漫画を微塵も知らない者から言わせてもらえば、桐谷健太演じる男の病気や、大人の事情が見え隠れする黒木メイサのライブシーンなど、必然性を著しく欠いた描写に興を削がれることもしばしば。またそれらが渾然一体となって押し寄せるクライマックスの大乱闘シーンによってこちらもテンションの持っていき場を失い、右往左往する始末。非常に困ってしまう映画でありました。とは言え、手足の長い小栗旬の短ラン姿は決まっており、妙な貫禄を備えた山田孝之の表情も堂に入っていた。また、あの『デビルマン』の伊崎兄弟とスクリーンで再会できたことは奇跡的でもある。

不良漫画と言えば『ビー・バップ・ハイスク−ル』や『ろくでなしブルース』で時代が止まっている私などからすると、番長の座を巡っての覇権争い、ましてや派閥の取り込み云々といった過程や、父親を越えるためといった動機は不純な気がしてならない。不良などというのは今も昔も例えば目が合っただの、同じ匂いがするだの(服装等を含めた)、それこそ野生動物のような排他的な攻撃性を発揮しているだけに過ぎず、とってつけたような本作の動機や背景にはどうにも乗れなかった。例えば井筒映画でよく目にするケンカなど、そこにはなんの理由も利害関係もない。そうして一方的な奇襲が終われば再び復讐が始まるというような。まあ、そんなことどうでもいいのだけれど。

結構混雑していた劇場内、客層は原作ファンと思しき男性客と小栗ファンと思しき女性客とでほぼ二分されていた。原作ファンの反応はよく判らないが、小栗ファンなら満足いく出来なのではないだろうか。三池監督、一応の責任は果たされたようで。
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