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評価:
Amazonおすすめ度:
決して、つまらなくはないけれど、、、
ちょっと中途半端???
ロビーストの仕事
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2006年
監督/脚本:ジェイソン・ライトマン
原作:クリストファー・バックリー
出演:アーロン・エッカート、マリア・ベロ、キャメロン・ブライト、アダム・ブロディ、サム・エリオット、ケイティ・ホームズ、デヴィッド・コーチナー、ロブ・ロウ
筒井康隆氏の『最後の喫煙者』がいよいよ現実のものとなるつつある昨今、私のような喫煙愛好家にとって肩身の狭い世の中となっています。わかっちゃいるけどやめられない、いや、やめる気など毛頭ないのですが。まるでマイケル・ムーアが得意とする茶化したような、オープニングのお遊びからいかにも“アメリカ”の匂いを感じさせる。ちょっと説明しづらいんですが、この感覚って『アメリカン・ビューティー』とどこか似ている。
主人公ニックは各タバコ会社が出資している「タバコ研究アカデミー」の広報部長としてメディアに露出し、四面楚歌的状況の中で獅子奮迅、八面六臂の活躍を見せて批判の声を軽やかに退けるという仕事、すなわちロビイストを生業としているわけです。しかしながら、猛烈サラリーマンのお約束として家庭には問題山積。ほとんど唯一彼を慕う一人息子は新しい男と暮らす元妻と彼の間を往復する日々を送っている。表面上、非常に面白い職業、題材を扱っていながら、普遍的なテーマとして父子の絆が物語りを牽引していくわけですね。このあたりなんてまさに『アメリカン・ビューティー』を想起させますが、でも違うんだよなぁ、冒頭10分くらいでそれを強く感じたので。
「ああ言えば上祐」なんて言葉がかつてありましたが、ニックをはじめ彼と同様の立場を務める武器業界の男と酒業界の女を含むロビイストたちの屁理屈も一つの見所。タバコのパッケージにドクロマークをプリントするか否かを巡っての珍攻防が本作のクライマックスとなっているわけですが、残念なのはウィリアム・H・メイシー演じる上院議員のディベート能力があまりにも低いのが盛り上げをやや削いでいるかな、と。尺も93分と程よい。
ともかく、がんばれJT!!