愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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13:17
評価:
Amazonおすすめ度:
キム・ギドク監督入門
言わなくていい。
稀にみる作品
2005年
監督:キム・ギドク
脚本:キム・ギドク
出演:チョン・ソンファン、ハン・ヨルム 、ソ・ジソク、チョン・グックァン

だからぁ……っとにぃもう……絶対、天然でしょう、この人。困ったちゃんだなぁ。
もしくはギャグでやってるんだったら謝りますけど。それならおおいに楽しめました。嫉妬に狂う爺様の顔が見事にツボに命中。だってムキーッてなったら矢をビューンでしょ。笑うなってのが土台無理ですよ、そりゃあ。ウンバボ族じゃないんだから。あと、あんちゃんが鶏の頭ひっぱいてたのも笑いましたね。弓占いったってテメエの匙加減じゃんよ、と思ったり。それから女の子の衣装が妙に小洒落ているのもどうなんでしょうか。買出しにいく爺様のセンスがいいのか、それとも沖にIKKOみたいな世話焼きスタイリストが待機しているんですかね。北野武監督の『Dolls』で乞食設定の菅野美穂さんの衣装が、なんたらヨージか知りませんけど春の新作発表会みたいだった違和感。まあ、そいったのもひっくるめて良くも悪くもファンタジー全開。敢えて言うならA級気取りのトンデモ映画でしょうか。

いや、辛うじて60分くらいまではなんやかんや「コントかよ」なんつって自己補正しながら失笑しつつも、着地がうまく決まれば傑作になり得るんじゃないか、なんて淡い期待も抱いておりました。『サマリア』ですぐ死んじゃったYUI似の子はやはり良かったですし。でもね、結婚式以降で全て台無しです。当然感じてはいましたよ、「ああ、また寓話ですか、あんたも好きねぇ」って。そしたら奥さん、ビックリですよ。杉作J太郎先生も裸足で逃げ出すエアーセックス・イン・コリア・オーシャン・ビュー大会が開催されちゃうんですから。あんな可憐な女子がぶっちぎりで優勝っすよ。んでまた矢がビューンで血がドーンってなってアハハハハハ。ハハ、ハハ、はぁ……。で、トドメの字幕でしょう?弓のように強く張り詰めて生きたいんですって……。ですよね、カトゥーンも唄ってたっけ、ギリギリでいつも生きていたいって。めでたし、めでたし。

とは言え、ギドク監督が好きだっていう人の気持ちも判らなくはない。台詞を完全に排除し、眼とその表情だけで全てを伝えようというその気概や良し。映像というメディアの特性を生かしていると思います。舞台装置は限定されていますが、この演出を演劇に流用することは至難の業でしょう。その意味でも映画にした甲斐はあると思います。尺も90分とコンパクトにまとめてあって好感が持てる。

しかしながら、演出があまりにも一本調子で洗練されていない。160キロの剛速球タイプとでも言いましょうか。特に終盤、青年が老人に弓占いを依頼する、その結果を少女がまず老人に耳打ちして伝え、それをまた老人が青年に耳打ちするわけですが、この際の演出にそれが顕著で、幾度か繰り返されてきたそれまでと同様の段取りをここでも踏んでいるわけです。この無為無策な演出はいただけない。青年が依頼した占いの内容はそれまでのどれとも似ていない異質なものなわけですから、ここは変化球を放るべきだろうと思うのです。

例えば引きの構図を用いて少女が占いの結果を二人へ“同時”に伝える。それに対するリアクション、すなわちうな垂れる、あるいは勝ち誇るというジェスチャーをさせればよい。それならばそれまで維持してきたように少女と老人の声を聞かせないという課題もクリアできますし、なによりこの場面では老人と青年が“答え”を知るのにタイムラグがあっては絶対にならない。他はハズしてもここだけは押さえておくべきポイントでしょう。

こうした細かい配慮が剛速球タイプであるが故、決定的に欠けているわけです。群雄割拠の韓国映画界において、突出した才能の持ち主であることは疑いませんが、そうであるからこそ余計残念に思えてなりません。ギドクファンの方はこのぶっ壊れた感覚がお好きなんでしょうか。個人的にはポン・ジュノ監督みたくB級映画に開眼してくれたら好きになれるかもしれません。むしろそっちと相性がいい方なのではないかと。



| 映画 ヤ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
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