1986年製作
監督・ハーレー・コクリス
原案/脚本・ジョン・カーペンター
出演・トミー・リー・ジョーンズ、リンダ・ハミルトン、ロバート・ボーン
カーペンター先生の隙だらけでバカバカしいアイデアに、トミー・リー・ジョーンズとリンダ・ハミルトンという豪華なキャストを配しながらも、きっちりとB級魂を宿した本作。リンダ・ハミルトンなんて『ターミネーター』以後ですからね。しかもこんな映画のカラミでオッパイを晒しているのに、まったく性的興奮を刺激されないところが凄い。
アクションとチープなサスペンスとちょいエロ、映画などこの程度でいいのだ、という達観したカーペンターイズムをハーレー・コクリス監督が再構築しています。
ツッコミどころは随所に散見されますが、そういうものだと自身に強く言い聞かせる、あるいはあたりめでも齧りながら強かに酔っぱらえば気になりません。しかしながら、ビル間の綱渡りなんてそれなにりにハラハラさせられますし、それから……、それから……、それくらいでしょうか。
あとはまあ、高速自動車ブラックムーンの時代を感じさせる近未来感や、リンダ・ハミルトンの不快指数の高い髪型、皺だらけで当時から老け顔なトミー・リー・ジョーンズ、必然性を欠く和風趣味、等々にクスリとさせらりたり。能動的に楽しめる方なら本作に価値を見出せるのではないでしょうか。
ただ如何せん、アクション映画のくせに肝心のアクションがあまり面白くないというのは致命的かと。