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評価:
Amazonおすすめ度:
悲しくも美しい映像
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演出・北浦嗣巳
脚本・実相寺昭雄、玉城悟
出演・西島秀俊、田中直樹、青山草太、美波、寺田農、岸部一徳
一時期流行った昭和30年代懐古モノ、円谷版といったところでしょうか。
その昭和を演出するあたりではエフェクトだけに頼らず、近年あまり見られなくなった照明による雰囲気作りの意図がひしひしと感じられ、極彩色にも似たその光がある種の怪しさを上手く形成しています。新しさは感じられませんが、堅実なその仕事ぶりは実相寺氏のアイデアを尊重しているようでもあり、感慨深いものがあります。
また、主人公である牧(西島秀俊)の父との思い出も描かれ、新シリーズの中継ぎとして含みを持たせるような展開となっています。肝心の怪奇現象はある老人の念が一つの街をまるごとタイムスリップさせてしまうというもの。まったく科学的でなく、またその分析も特におこなわれないところが本シリーズらしく、「これでいいのだ!」と、ねじり鉢巻でもしたくなります。