愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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社長太平記 02:32
評価:
Amazonおすすめ度:
「戦後」を知る一級映像資料
懐かしさがこみ上げる昭和30年代・・
昭和を代表する喜劇人、森繁久彌さんの魅力がたっぷり詰まった社長シリーズ。
その中から第7作目となる『社長太平記』をチョイスしてみました。
監督されたのは同シリーズのメイン監督でもある松林宗恵監督。
キャストは森繁さんを筆頭に小林桂樹さん、加東大介さん、三木のり平さん、久慈あさみさん、といったシリーズ常連に加え淡路恵子さんがシリーズ初登場。

本作のストーリーを簡単に紹介すると、女性下着メーカーの社長(森繁)が、専務(小林)や庶務課長(加東)、営業部長(三木)らと共に、ライバルメーカーとの生き残りを賭けた、デパートの納品責任者に対する接待合戦を繰り広げ、そこに専務の恋模様や軽薄な社長のドタバタなんかが絡んでくる、というものです。

また、設定そのものにも少し捻りが利いていて、戦時中、海軍に所属した現社長は一番の下っ端、その直属の上司が現専務であり、軍艦の艦長が現庶務課長であった、つまり戦中と戦後の立場がまるきり逆転しているわけです。

ですから社内では部下の筈の庶務課長が、時折思い出したように艦長時代の威厳を取り戻し、社長と専務が姿勢を正して「はっ」なんて敬礼をするんですね。

そういった設定上の面白さも勿論あるんですが、私は森繁さんが会長でもあるお母さんに「もっと早く起きて新聞を読みなさい。先代のお父さんは……」みたな小言を言われ、しぶしぶ新聞に目を通しながら文面をもごもごと声に出して読む際、「むにゃむにゃむにゃ……ぅるせんだババア」と悪態を吐くのですが、思わず、ぶはっ、と吹き出してしまいました。

古い映画だからって油断は禁物ですね。どうしても現在の森繁さんと重ねて観てしまうものですから、まさか森繁さんの口から「ぅるせんだババア」なんてフレーズが聞けると思ってもみませんでした。

海軍キャバレーなんて当時の風俗や、今でいうヌーブラみたいな新商品のアイデアも描かれていてなかなか興味深い。何より製作されたのは終戦後たったの14年目(1959年)なんですが、登場人物たちの戦争に対する想いに、かなりあっけらかんとした様子が窺えるんですね。

勿論これはフィクションですから、実際のところは判りませんが、DVDには松林監督のインタビューが収録されていて、こんな事を仰っていたのが印象的でした。
戦争に行く時は甲子園へ行くような気持ちだった
と、なんとも勇ましい発言です。ただ、この前後の文脈は、自分はそんな気持ちであったけれど、親は心配しただろうなぁというニュアンスです。

しかし、いっつも鼻の下を伸ばした森繁社長を見ていると、ほんとにこれが戦争に負けた国かよ、とつくづく思いますね。森繁さんも松林監督もご健在ではありますが、幕末然り、高度成長期然り、時代の大きな改変期に立ち会った先人たちの魅力というのは我々現代人には到底敵わないな、という事を強く実感しました。

最近はどこもネタ切れなのか漫画や小説などの原作モノが多いですが、映画会社の看板とも成り得るこういったオリジナルのシリーズモノもいつか復活してくれると嬉しいですね。
| 映画 サ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
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