愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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妻は告白する 23:03
1961年に製作された増村保造監督作品。
主演は若尾文子さん。旦那様は先の都知事選に立候補された黒川紀章さんですね。

増村監督は多作な方で、私も実はコンプリートしていないのですが、本作はその中でもトップクラスの出来と言っても大袈裟ではないでしょう。演出に隙がなく、ほとんど完璧な映画だと私は信じます。

四方田犬彦氏の著書『日本映画史100年』によれば増村監督はイタリア留学からの帰国後、先輩の溝口健二監督を批判したそうですが、いずれにしろ確固たる信念と哲学を持って映画を撮られていたことは疑いようがありません。

本作の内容は、山登りの際に夫を殺してしまった妻をめぐる言わば裁判劇なのですが、そこで争われているのは殺意の有無、それだけなんですね。妻が夫を死なせてしまったことは本人も既に認めているわけです。

もう少し詳細を説明すると、大学教授の夫とその元助手の妻、そこに夫の知人であり妻が思いを寄せる若い男の三人で山へ登るわけですが、夫と妻が誤って崖から転落してしまう。三人は一本のザイルで繋がっていたわけですが、一番下にぶら下がっているのは夫だったわけです。そのままだと下手をすれば三人とも転落してしまう。ザイルで胸を締め付けられる妻は20分もすれば気絶して事態はいよいよ悪化する。そこで妻は夫と繋がる部分のザイルをナイフで切って若い男と共に生き延びた。果たしてそこに殺意はあったのか?

これは翻って“殺意”を“愛”と言い換えてもいいでしょう。
実際に劇中の裁判でも、妻(被告人)は夫を愛していたのかが問われます。裁判の進展によって徐々に夫婦の関係、妻の本性などが暴かれていく。またザイル一本で繋がった三人の関係や、事故当時の位置関係なども絶妙で、実に映画的。事故の映像も1961年製作にしてはかなりの迫力があります。

ずぶ濡れの着物姿で会社を訪れる若尾さんのなんと美しく不気味なことか。
印象的なラストショットもそのキャラクターに相応しい。
もうホントにパーフェクト。90分でこれほどの物語ってやっぱり可能なんですね。無駄に冗長な昨今の映画に見習ってほしいものです。
| 映画 タ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
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