愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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パッチギ! 02:22
評価:
Amazonおすすめ度:
アホ映画
エンターテインメントとしても、中途半端。
3人でレオポン見に行こう
『パッチギ!LOVE&PEACE』の公開も間近ということで、何故か見逃していた前作をDVDで予習。『Monja』の後遺症がまだ残っているので公平なジャッジなのかは自分でもよく判りませんが、痛快且つ不毛な喧嘩映画としては文句ナシの出来映えだと思います。私は当時若手のナインティナインが主演を務めた『岸和田少年愚連隊』の大ファンで何度も鑑賞しているのですが、また改めて観直したくなりました。

本作の舞台は60年代後半の京都ですが、私がイメージする京都のはんなりとしたそれとは程遠く、良くも悪くも関西特有の粗野で猥雑な世界、まさしく『岸和田少年愚連隊』と酷似した世界が広がっています。

ワイドショーなどでしばしば耳にする左翼的思想を帯びた井筒監督の発言には首肯しかねるものがありますが、こと映画に関してはやや趣味の偏りがあるものの、それを差し引いてもある程度信頼できる人物である、というのが私の見解です。

と言うのも、本作では自虐史観に基づく戦争の悲惨さや不毛さをやや教条主義的に訴えてはいるのですが、そのパッションがどこまで本気なのかは些か疑わしく思えるのです。何故なら、本作が輝きをみせるシーンの多くは不毛で退廃的な暴力に満ちており、それが時には目を逸らしたくなるようなものであっても、どこかコミカルな救いがあって、日本の学生も朝鮮の学生も皆一様に愛くるしい。学生だけでなく、学校の先生もお母さんもおじさんも、昼間から酒を浴びるろくでなしも、皆一様に憎めないキャラクターなんですね。

不良たちのミニマムな世界で展開される復讐に次ぐ復讐、すなわち『本作に於ける不毛な喧嘩≒広義的な戦争』と仮定するなら、それを賛美とまでは言いませんが、どこか牧歌的に描かれている印象は否めません。ラストシーン、まさしく日本対朝鮮の不良たちによる代理戦争を引き分けに終わらせたことは、少なくとも井筒監督の良心だったのではないでしょうか。

さらに言えば、性(ライトな下ネタも含む)と暴力とを大仰な刺激物としてではなく、あくまでも日常の延長線上に位置するものとして違和感なく描写し、エンタテインメントにまで昇華させてしまう井筒監督の手腕というのは、経験則と映画的理論に裏打ちされた見事なものだと感じます。

いくつかのピンク映画を経て作られたATG映画『ガキ帝国』(若き日の紳助竜介が主演)の頃から井筒監督のスタイルは変わっていません。『岸和田少年愚連隊』なんてほぼ『ガキ帝国』の焼き直しですからね。

ビッグマウスとサヨク的思想が、時に反撥を招く要因であるのは否定し難い事実ではありますが、スノッブなシネフィル向けに作られた有象無象の蛸壺映画に比してみれば、少なくとも外側の世界を見つめているだけ、私は擁護にまわりたいと思うのです。

ただ、世話焼きなイデオロギーを排した分、不毛な暴力の純度が高い『岸和田少年愚連隊』の方が好みではありますが。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
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