愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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父、帰る 22:51
評価:
Amazonおすすめ度:
美しさの中の驚き
それでも自然は美しい  
父と子
父の日にちなんで、今日はロシアの映画監督、アンドレイ・ズビャギンツェフの長編デビュー作にして2003年度ヴェネチア国際映画祭グランプリを獲得した『父、帰る』を鑑賞。

タイトル通り、幼い兄弟の元へ12年間も家を空けていた父親が突如帰ってきたところから物語は幕を開けます。一体この親父さん、何をしている人なのかさっぱり判らない。兄弟は父親の職業がパイロットだと母親から聞かされてはいるのですが、幼心にそれは怪しいと踏んでいる。翌日、父親は息子たち二人を連れて旅に出ます。行き先も告げぬまま。

この旅の道中と、ある無人島に渡ってからに多くの時間が割かれているのですが、このじれったい親子の交流が実にいいんですね。ぶっきらぼうな親父さんは12年間の空白を埋めたいのに、それを素直に表現できない。ニコリともせず、喧嘩の仕方やボートの作り方、テントの張り方など、母親ではとても教えきれない男子の流儀を叩き込んでいく。そのやり方は傍目にも不器用で、だからこそ無性にせつない。

無論、表面上の厳しさばかりに反撥したくなる子供たち(とくに弟)の気持ちもよく判る。12年ぶりと言ったって、彼らにとっては初対面に等しい男なわけですから。身勝手に振り回されているだけと感じても無理のない話です。

昨日の『ある子供』同様、本作も淡々と話は進んでいきますが、どう考えたってこちらの方が“映画”として格上です。リアルという大義名分を盾に映画的文法を放棄した、ただ観づらいだけのラフスケッチでなくとも、きちんと“人間”は描けるのだということを本作は見事に体現しています。

本作はロシアの映画ですが、父親と息子の関係というのは程度の差こそあれ、古今東西どの家庭もこんなものじゃないでしょうか。自身の体験を振り返ってみても、父親と膝を突き合わせて話をしたという記憶はほとんどありませんね。まあ、お互い極端に無口なのでこれが普通とは思いませんが。

男親というのは母親ほど愛されない宿命を背負っているんですね。ホント哀しい生き物です。父親のグローブのように頑丈な手、従順な兄、弟の眼光鋭いまなざし、ロシアの広大な海と大地、その全てが美しい傑作です。
| 映画 タ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
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