愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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秘密は誰かに話すもの 22:32
原作は『マリー・アントワネット』などで知られるシュテファン・ツヴァイクの小説『女の二十四時間』です。キャシー中島さんが出演していた『女の60分』なら知っていますが、これは未読です。監督のローラン・ブーニクという方はよく知りませんね。でも音楽がマイケル・ナイマンだったり、共同脚本がジル・トーランだったり、アニエス・ジャウィが出演していたりと豪華な顔ぶれの本作。

結論から先に言うと、面白くもなんともないですよ。
まず完全に内容がタイトルに負けています。“秘密”だって言うからもっとゾクゾクするような話かと思ったらなんのことはない、とある未亡人(アニエス・ジャウィ)が若いツバメに入れ込んだ挙句、ストーカーチックに世話を焼いたらドン引きされたという……。
知らんがな、って話です。

劇場公開時のタイトルは『ブラウン夫人のひめごと』だったそうですが、これもいかがなものでしょうか。いっそのこと『ぎゅわんぶらあ自己中心派/一発逆転リビエラ篇』とかだったらそれなりに観られたかもしれません。

ストーリーはこうです。
南仏、リビエラのリゾート地にあるカジノで、ひとりの少女が、年老いた元外交官と出合った。少女の名はオリビア。元外交官の名はルイ。乱暴な恋人とケンカし、振り切ってきたオリビアは、超然とした態度の元外交官が嫌がるのもかまわず彼のあとをついてゆく。
ホテルへの道すがら、ルイは、かつてこの場所で出会った女性のことを思い出しながら、語り始めた――。
それは第2次大戦が起こる直前、リビエラの海岸にあったコテージで避暑を楽しんでいたときのこと。当時10代だったルイは、なににも楽しみが見出せず、退屈な避暑地での毎日を送っていた。テニスに誘ったドイツ人の少女は明日にも帰国するという。しかもルイの母親はテニスのコーチと駆け落ちしてしまった。
避暑地に広まる母の噂。そんななか、ひとりブラウン夫人だけは悠然とした態度で、母を擁護した。避暑地での耐え難い日々を過ごす若きルイに、ブラウン夫人から招待状が届けられる。さっそく彼女の部屋を訪ねた彼に、ブラウン夫人が語り始めた――。
(amazon.co.jpより)

そのブラウン夫人が語る誰にも話したことのない“秘密”が本編の大部分を占めています。なんと言いましょうか、『すべらない話』でおもいっきりスベってしまったような感じですかね。

夫人本人は背徳感と自己陶酔に浸りながら少年時代のルイ(クレモン・ヴァン・デン・ベルグ)に“とある一夜のアバンチュール”を聞かせるのですが、(女にはこんな気分の時もあるのだから、お母さんを許してあげて、という意味合いで)これがもうホントに頓珍漢な内容で困るんです。

そもそもブラウン夫人というのはリビエラにやって来るまで3年間のニート暮らしをしていた人なんですね。では何故そんな暮らしをしていたのかと言うと、愛する夫に先立たれて鬱だったから、という訳です。

まあ、どうやら家柄の良いブルジョワの娘さんらしいので打たれ弱いんでしょうね。私のような貧乏人には、そんな言い逃れは許されません。そんな彼女を見かねた義姉がやって来て、「YOU、たまにはリビエラとかで遊んじゃいなYO!」と、外に連れ出します。

リビエラに着くと義姉はマリー(=ブラウン夫人)をカジノに誘う。そこでマリーはルーレットに興じる青年アントン(ニコライ・コスター=ワルドー)を見初めるわけです。日本にカジノはありませんから、例えるなら軽井沢のパチンコ屋で鉄火場と化したニューハナハナ30(注射済)をぶっ叩いているあんちゃんにズキュンときた山の手マダム、といった感じでしょうか。

で、そのあんちゃん、ケツの毛まで毟られると、ほくほく顔のおじさんにあろうことか「金貸してくれ」なんて非常識なことをのたまう。当然のように「今日は帰ったほうがいいぜ」と、おじさんに諭されるも、困ったあんちゃんは納得がいきません。そこへマダムが「あたしが貸してあげるわ」と軍資金をアシスト。それすらも綺麗さっぱり溶かし、あんちゃんは豪雨の中を肩を落として帰っていきます。

個人的な経験から言うと、ギャンブルというのは熱くなった時点で負けです。しかし熱くなれないギャンブルなど面白くない。そのジレンマとどう折り合いをつけるのかが鍵ですね、ってそんな話はどうでもいいんです。

帰りの足代すら溶かしてしまったアントン、誰も居ない公園で雨に打たれながら“自殺”の二文字が脳裏をよぎる。そこへもノコノコついて来たマリーは宿代を出してやるなどと申し出る。で、宿へ行くとちゃっかり抱かれちゃっているマリー。これはもうご奉仕プレイというよりも買春に近い。男漁りをする醜悪なブルジョア・マダムの話ですよ、これは。

考えてもみて下さい。これ、男女逆の設定だったらどう思われますか?
パチンコ屋で大火傷しているギャルがいる。おっさんロック・オン。
「あ、キミキミ。結構やられてたみたいだけどタクシー代はあるの?」
「はあ?意味わかんないんですけど。関係ねぇし」
「いや、大丈夫なのかなぁって、今月の家賃とか……」
「マジきしょいんですけど。怪しくね?」
背に腹はかえられず、ホテルに向かう宿無しギャル。
「てゆーかアッシ、マン喫でいいんだけど」
「駄目だよぉ、エコノミー症候群になっちゃうよぉ」
「はあ?まじウケる。つーかオメなんで部屋まで着いてきてんだよ?」
「だって君、自殺する気満々だろ?心配で心配で」
「ウゼぇし。むしろお前のやる気が満々だから。気づいてっから」
「……てへっ」

みたいな話ですよ、要するに。
「なんだそりゃ?」ってなるじゃないですか。
とは言え、物語には一切乗れませんでしたけど、映像も音楽も美しいので環境ビデオにはいいかもしれませんね。原作もホントにこんなお話なのかしら?シュテファン・ツヴァイクさんが草葉の陰で泣いていなけれなばいいのですが……。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
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