愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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重松清「愛妻日記」より 煙が目にしみる 22:09
本作は重松清さんの小説『愛妻日記』を原作とした企画物(?)の第6弾です。夫婦間の性愛をテーマにしているという点でフルモーションレーベルの作品が想起されます。と思ったら監督の亀井亨さんはそのフルモーションレーベルの第1弾『QUESTION』と第2弾『マグマのごとく』の監督も務めていらっしゃるんですね。

私が本作を鑑賞した動機は、心の師匠である荒井晴彦さんがこの企画全体の脚本監修を務めていると知ったからです。荒井さんと言えば近年では廣木隆一監督と共に傑作『ヴァイブレータ』で、官能のゴッドファーザーとしての実力をまざまざと見せつけてくれたことに、私などは快哉を叫びました。

ストーリー紹介
子作りのために夫に禁煙を命じていた妻。しかし夫は煙草の煙にひかれ、ショートピースを吸っていた女子高生と援助交際をしてしまう。その臭いに気づいた妻は激しい嫌悪感を示す。ショートピースの臭いに異常なまでに反応する妻の隠された過去とは…。
(「Oricon GE」データベースより)

主演は不二子さんと木下ほうかさん。重松さんの原作は未読なんですが、なんと言いますか“トラウマもの”なんですね。DVDに収録されている予告を見ると、どうやら他にも“トラウマもの”があるようです。個人的には食傷気味なので、展開がそちらに向かい始めた瞬間から少しげんなりしてしまいました。

トラウマってそんなに引きずるものなんですかねえ?まあ程度によるのでしょうが、本作のトラウマってそこまで衝撃的でもないし、これ以上はネタバレになるので控えますが、何故記憶障害になったのか、という説得力も欠けているように思いました。確かに物語のアイテムとしては便利ですが、安直とも背中合わせかな、と。この辺りも原作を未読なので、責任の所在が原作にあるのか脚本段階で削られたのかは不明です。

なんと言っても60分少々の尺しかありませんからね。だらだらと長ったらしい作品が多い昨今、この潔さは好感が持てます。私にとってゴダールの偉大さは、90分前後に作品をまとめてくれることだったりします。

全編に緑がかったエフェクト処理が施されていて、唯一夜の街並なんかはネオンの灯りがあるのですが、ほとんどモノクロと形容してもいいほどに色彩を欠いた映像となっています。フルモーションのいくつかの作品もそうですが、Vシネマのセクシードラマ的な野暮ったさからの脱却を図っているのか、スタイリッシュさをかなり意識して作られているんですね。

人によっては鼻につくであろうそういった演出も、所詮はポルノという現実がいくらか緩和材となって働きます。私はこういった試みは“あり”だと思いますね。瀬々敬久監督をはじめとするピンク四天王がポスト・日活ロマンポルノであったなら、その系譜をいまおかしんじ監督らが継承し、フルモーションレーベルを含めてここに“ポルノ・オルタナティブ”の蕾が花開こうとしているのではないでしょうか。

家出した妻が見知らぬ土地の電話ボックスから自宅に電話をするくだり。そこで夫婦はいわゆるテレフォンセックスを試みるのですが、地面は一切濡れていないのにも関わらず、電話ボックスだけが雨粒に濡れている。そんないかにもな演出も嫌いじゃありません。

ある種滑稽とも思える妻のトラウマも、その境界線を踏んでいるようにも感じるのですが、ぎりぎり許容範囲といったところでしょうか。その点、あらかじめ性愛など滑稽なものである、と開き直っているようないまおか監督はさすがに上手い。

このシリーズ、もう少し追って考えてみたいと思います。
| 映画 カ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
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