愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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花よりもなほ 22:04
評価:
Amazonおすすめ度:
長い
心温まる作品
意外なキャストが面白い
これは2006年に公開された作品ですが、なんで今更観る気になったのかと言えば、森達也監督がMCを務める『森の朝ごはん』というラジオ番組に是枝監督がゲスト出演された回のポッドキャストを聴く機会があったからです。

そこで是枝監督は『花よりもなほ』の隠しテーマとして憲法9条がある、という意味合いの発言をされていました。どうやら当時、関東ローカルで深夜放送されたドキュメンタリー番組のテーマが憲法9条だったそうなのです。ちなみにそのドキュメンタリー番組を企画されたのが森監督で、お二方を含めた3人のディレクター(残りの一人は不明)がそれぞれの視点で憲法9条にまつわる番組を製作されたのだとか。

私見ではありますが、反マッチョ思想、あるいはサヨク的な思想の弱点というのは、理想を追及するあまり現実と乖離してしまうことがしばしば見受けられる点だと思うのです。そういった意味で赤穂浪士のマッチョイズムを鼻で笑う是枝監督が、フィクションとは言え一体どのような具体策を提示してくるのかと興味が湧き、レンタル屋さんへと急ぎました。

まず、これまでの路線と違い、観客を意識したエンタテインメントに取り組んだ点は最大限評価すべきでしょう。実際、劇場公開当時もそういった意味で興味はあったのですが、これまでの経験が素直に足を運ばせてはくれませんでした。私にとって映画を観る行為はある種のギャンブルですからね。

で、観賞後の感想ですが、やはり是枝監督はフィクションの構築があまり達者ではないのだな、と確信しました。必ずしもテレビドキュメンタリー出身であることが原因だとは思いませんが、映画を“魅せる”訓練を積んでいないのだと思われます。

それは物語の中盤、長屋の一同が花見客を相手に寸劇を披露する場面なんかに顕著で、あそこは本来もっと盛り上がって然るべきシーンのはずだと思うのですが、監督が意図したものなのかそうでないのか、至って退屈で凡庸なシーンとなっています。同じ脚本を例えば周防正行監督のようなプロフェッショナルに任せたら……、などと愚痴りたくもなります。

コミカルなシーンも多々あるのですが、これらはほとんど古田新太さんをはじめとする役者陣への丸投げと言ってよく、お笑い芸人にそのままコメディリリーフをキャスティングしてしまうセンスというのは、いかがなものかと閉口した次第。

『たそがれ清兵衛』以降の“清楚”な宮沢りえさんや、ヘタレな主人公という設定にも目新しさを感じないし、アクロバットを狙ったのであろう仇討ちへの解決策も机上の空論と言いますか(それが例えフィクションとは言え)、結局は無能な与力の存在あってこそ、といった印象は否めませんでした。

最初に興味をそそられた憲法9条云々というは途中からもうどうでもよくて、なんとか“映画”としての美点を探したのですが、どこにも見当たらなかった、というのが正直な感想でしょうか。なんだか悪口ばかりで自己嫌悪な気分です。

ただ、映画に対する是枝監督の新しいアプローチ、直球勝負の姿勢は支持しています。が、やっぱり向いていない気も……。その点、マイケル・ムーア監督は自分をよく知っていますよね。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
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