愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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くノ一五人衆VS女ドラゴン軍団 22:03
評価:
Amazonおすすめ度:
蒼井そらが立派
実に奇妙な作品でした……。目くじらを立てて罵倒するのも大人げないと言うか、そもそも健全な大人なら普通はまず観ないでしょう。本音を言えば「くだらない」の一言で片づけてしまいたいのですが、無駄な情熱が注がれていたので、少し考えてみたいと思います。

主演されているのは蒼井そらさん、そう聞いて淡い期待を寄せる殿方を、監督の谷垣健治さんは見事に裏切ってくれます。この谷垣監督、良い意味で“カンフー馬鹿”なんですね。

倉田アクションクラブ出身である谷垣監督はカンフーの本場、香港で経験を積んだ、言わばカンフーのエキスパート。要するに殺陣師みたいな方でしょうか。そんな経験を活かして谷垣監督は、様々な作品でアクション指導をされてきたわけです。

私の知り合いにも“カンフー馬鹿”はいますが、彼らを見ていると一つのジャンルに固執する様はある意味非常にオタク的です。おそらく谷垣監督もカンフー映画オタクなのでしょう。『映画秘宝』の座談会などを読んでいるとそれは十二分に伝わってきます。自分の大好きな分野で飯を食っているのだから、谷垣監督は幸せでしょうね。オタクの鑑です。

で、本作の話に戻すと、予算がアイデア(脚本)に見合っていないものだから、衣装や小道具、舞台に出演者(失礼)に至るまでチープな出来となっています。まあ、タイトルからその辺は期待していなかったのですが、それにしたって目に余るクオリティーなんですね。

本作の特徴はあくまでも日本製香港(カンフー)映画にこだわったことにあるでしょう。故に出演者が全て日本人なのにも関わらず、台詞は全て吹き替え、それも声は別人という腑に落ちない作風となっています。それは、いわゆるアフレコとは全く意味合いの違うものです。

『プロジェクトA』の記事でも触れたように、我々日本人が抱くカンフー映画、もっと言えばジャッキー映画のイメージを再現、あるいはエッセンスだけを抽出していく、というのが本作の目的と化しているのです。まさにこれはマカロニウエスタンならぬ、テンプラカンフーとでも言いましょうか、ジャンルを優先した結果の違和感が全編を覆っているんですね。

ただ、その違和感は我々が日本人であるからこそで、アングロサクソンからすればとるに足らぬ問題なのでしょう。だからこそ『SAYURI』にチャン・ツィイーをキャスティングしたりしてしまうわけで。

本作を観ていると、格闘シーンにおける“やられ役”の技量がいかに重要かがよく判ります。どのような経緯で本作が誕生したのかは知る由もありませんが、谷垣監督もさぞや不本意だったでしょうね。

無論、同情の余地はあるのですが、敢えて苦言を一つだけ。
本作の根本的な欠陥は脚本だと思うのですが、もう一つは谷垣監督が総合演出を任されてしまったことにあるでしょう。谷垣監督はカンフーアクションのプロであり、映画監督のプロでは決してない。例えば『日本沈没』の樋口真嗣さんや『キャシャーン』の紀里谷和明さんもそうですが、彼らはある事柄(アクションであったりCGであったスタイリッシュな映像であったり)に特化したエキスパートなわけで、映画監督という特殊な技能の持ち主ではないわけです。

いずれの作品も適材適所を誤った必然的な結果だと思います。但し、谷垣監督に変な下心がないので、どこか憎めない作品でもあるんですよね。
| 映画 カ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
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