愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

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マーダー・ライド・ショー 19:07
評価:
Amazonおすすめ度:
単にダメ映画
この監督が好きな人だけ見ればいい。
単純なホラーや映画しか見てこなかった人は見ないほうがええ
2003年
監督/脚本:ロブ・ゾンビ
出演:シド・ヘイグ、ビル・モーズリイ、シェリ・ムーン、カレン・ブラック、クリス・ハードウィック、エリン・ダニエルズ、ジェニファー・ジョスティン、レイン・ウィルソン、トム・タウルズ、ウォルト・ゴギンズ 、マシュー・マクグローリー、ハリソン・ヤング

熱心なホラーファンを公言する監督にかぎって、必ずと言っていいほど『悪魔のいけにえ』や一連のロメロゾンビ作品を神格化しますけど、もういいんじゃないですかね、そういう常套句。無論、映画史に名を残す作品であることに異論はありませんが、オマージだのリスペクトだの言ったって本作をはじめ、いずれも家元の縮小再生産という印象に落ち着いてしまうのだから。辟易するような既視感溢れるエピソードやキャラクターの羅列は、決してオマージュという言葉が万能の免罪符ではないことを証明しています。そもそもこのジャンルって非常に匙加減が難しく、ましてデビュー作ともなるとファンとして期待するのは小手先の器用さではなく、未知数の潜在能力を感じたいわけで……。その点、本作には辛うじて冒頭の悪趣味なアナログ・アトラクション・ツアー(是非ディズニーランドに設置すべき)、と警官に銃を向けた際の長い間に、ほんのりとその片鱗が窺えるのでした。
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魔女の棲む館 17:39
評価:
Amazonおすすめ度:
ちょっと、がっかり。
海外ホラー映画ファンなら、必見でしょっ。
巨匠の今を知る価値あるBOX
2005年
監督:スチュアート・ゴードン
脚本:デニス・パオリ、スチュアート・ゴードン
出演:エズラ・ゴッデン、スーザン・ベイン、ジェイ・ブラゾー、アンソニー・ハリソン

引き続きマスターズ・オブ・ホラーより。
原作は H・P・ラヴクラフト。
設定そのものはホラーというよりナルニア国的なファンタジーに近いですね。単品としてはそれほど悪くない仕上がりながら、この錚々たる面子の中では分が悪かった。原作が原作ですからこれ以上要求するのも酷というもの。ゴードン監督は相応の仕事を成されていたと思います。

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間宮兄弟 23:01
評価:
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私には合わない映画で退屈だった。
ダメ男
のんびり、ゆるい系
江國香織さんの原作(未読)を、さてあの森田芳光監督がどう料理したのかと観てみました。キャスティングはほぼ言うことなしですね。特に高嶋兄はこうした役こそ相応しい。塚地さんはヴィジュアル重視の起用でしょうから演技について云々するのは控えたいと思います。

無難に撮られているなぁと油断していたら、なんなのでしょう、あの佐々木蔵之介さんが沢尻エリカさんを自宅に招待しOKの返事を貰ってルンルンで帰宅するくだりは。違和感アリアリのBGMと判り易すぎる浮かれ具合に絶句しました。

それだけでなく、時折挿入される犬の着ぐるみに身を包んだ、必然性を著しく欠く兄弟のイメージショット。まったく訳が判りません。いや、正確には判らないと言うよりもそこに何らかの意味付けは可能なのですが、表現としては陳腐に過ぎて片腹痛い。

なんでこの方はいちいち余計な味付けをするんでしょうかね。コンスタントに仕事をされているので、それなりに業界からの信頼は厚いのでしょうが、私にはちょっと理解できません。

もう少し自我を抑えてくれたら、職業監督としてそれなりの評価をされると思うんですが、勿体ない人ですね。
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モーターサイクル・ダイアリーズ 22:47
評価:
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確信にたどりつく旅
旅そのものの中で☆
ロードムービーはいいですね
“勝手にガエル・ガルシア・ベルナル祭”もとりあえず今回で一区切り。
トリを飾るのは2004年に公開されたロバート・レッドフォード製作総指揮、ウォルター・サレス監督作品、『モーターサイクル・ダイアリーズ』です。言うまでもなく、本作はいつの頃からかファッションの記号にされてしまったキューバのゲリラ指導者、チェ・ゲバラの若き日を描いたロードムービーですね。エルネスト(=ゲバラ)をガエル・ガルシア・ベルナルが、彼と共に旅をする歳上の友人アルベルト・グラナードをロドリゴ・デ・ラ・セルナがそれぞれ演じています。

私はロードムービーというだけで若干評価が甘くなってしまうのですが、本作に登場するロケーションは実に雄大で、それはアメリカ映画でしばしば見受けられる荒涼とした感じとはまた違い、どこか物悲しい印象を与えます。アッバス・キアロスタミ監督の描くイランの山々をどこか彷彿させる、第三世界特有の沈鬱さとでも言いましょうか、諦めにも似た停滞感とそこで逞しく生きる人々の姿が無条件に胸を打つんですね。

時代設定は1950年代ですが、ここに登場する例えばペルーの山奥で暮らす人々なんて今現在もそれほど大差ない暮らしをしているんじゃないかと勝手に想像してしまいます。マチュピチュ遺跡なんてホントに奇跡です。目を疑いますね。まさしく神秘の世界。死ぬまでに一度は訪れてみたいものだと感じました。ペルーと言えば原田眞人監督の『KAMIKAZE TAXI』の主人公、寒竹一将(役所広司さん)を思い出しますが、まあそれはどうでもいいです。

一応史実に基づいた作りになっているのでしょうが、それも一先ず横に置いておいて、ロードムービーでありながら特別な動機も目的もないというのがまた素晴らしい。旅そのものが目的なんですね。恋人に会いにいくわけでも、病気のおばあちゃんに会いにいくわけでも、まして大きな麻薬の取引が待っているわけでもない。

個人的にはエルネストのあまりの正義漢っぷりに少々非現実的なものを感じて、どちらかと言うと人間くさいアルベルトに共感しながら観ていたのですが、どうやらゲバラ自身ホントに潔癖な性格の人だったらしいので、そこはある程度差し引いて考えるべきなのかもしれません。

ところで、世襲制はともかく同じ社会主義国家でも北朝鮮とキューバに対するイメージがあまりにも違うのは私だけでしょうか。それはおそらく『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のような作品に洗脳されているのかもしれませんが、凄惨な北朝鮮市民の現状に比べ、キューバにはどこか牧歌的な印象があるのです。無論、言論の封殺や情報統制などが存在する事実も知ってはいるのですが、現実と乖離しながらも理想を追い続けるドン・キホーテ的な部分にどこか惹かれるものがあるのかもしれませんね。とは言え、より詳細な情報が噴出した時、そんな甘い幻想も吹き飛んでしまうのかもしれませんが。
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Monja 21:47
皆さんはご存知でしたか?
参議院議員、大仁田厚さんが原作、監督、主演を務める映画が存在することを。その名も『Monja』。私はレンタルDVD店でこのジャケットを目にした瞬間、すわ『シベリア超特急』の再来かと、武者震いを禁じ得ませんでした。何からいじっていいのやら対処に困るのですが、まず着目すべきはその破戒的キャッチコピーでしょう。

“昔、ロックスター 今、ろくでなし みんなまとめて もんじゃ焼き”

なんのことだ、と。お前は何を言っているんだ、と。
このコピーを読んだ誰しもがそう感じることでしょう。
まだまだですよ。こんなのは序の口です。

『Monja』公式HP(あるんです!)へ行くと、夕日に染まる高層ビルを背景に、互いの背中にもたれ合うライダースジャケット姿の大仁田さんと本作のヒロイン、原田紗世子さんがこちらをガン見してきます。そこにあるストーリー紹介のテキスト内容も素敵なんですが、それ以上にキャスト紹介のページに度肝を抜かれますよね。なんとあの古賀誠先生が友情出演!やはり自民党繋がりで断りきれなかったのでしょうか。さらには朝丘雪路さんの名前まで。しかしながら問題は表記上の主要キャスト5人の内、3人が友情出演という不可解さです。素晴らしい友情パワーですよね。

さて、それではいよいよ本編の内容に触れて参りましょう。
ファーストカットは薄暗い部屋にぽつんとある小さなラジオ。そこから聞こえるDJのトーク。かつて音楽業界を席巻した(というある種ファンタジックな設定の)マサ(大仁田厚)の曲がリクエストされる。
「いやぁ懐かしいですねぇ。マサ&ブルースカイかぁ」
そんな噴飯モノのグループ名をさらっと言うDJに、観る者は冒頭からまさかの有刺鉄線デスマッチを強いられたことを知るわけです。ちなみに製作されたのは80年代じゃありませんよ、2005年です。この世知辛い御時世、なかなか出来る発想じゃありませんよね。
内山田ひろしとクールファイブ、カルロス・トシキ&オメガトライブの再来でしょうか。進むも地獄、退くも地獄、もう後戻りは出来ません。

そんなファーストシーンは画面全体が青味がかっていて、キタノブルーならぬオオニタブルーに我々も負けじとブルー。暗く狭苦しい部屋の中でマサはむっくりと起き上がり、煙草を一服。ほんの少し『傷だらけの天使』を彷彿させる雰囲気に「おっ?そんなに悪くないかも」と淡い期待を抱かせます。

ところがどっこい、30秒後には我々の想像を遥かに越えた展開が待っている。ロック界から半ば追放されたマサは、現在はその腕力を活かしてヤミ金業者の下働き。何年経過しているのかは不明ですが、この落差ったらたまらない。それはともかく、今日も先輩3人と未納金の回収に多忙なようです。

相手は浪人生だか大学生だか判りませんが、頼りなさそうな青年。彼をよってたかって強面の先輩たちが脅します。「もうちょっと待ってください!」「貸りたもん返すのは当たり前だろうがっ!」みたいなステレオタイプのやり取りにブチギレたマサは、「うおおおおっっ!」と何の脈絡もなく雄叫びをあげて青年にショルダータックル!ところがそれはフェイク、まさしくプロレスであり、青年の財布から金を抜き取ったように見せかけて自身のポケットマネーで立替え、急場を凌ぐという離れ業を披露。

そのわりに立替えた金額は¥3,000という微妙なセコさに、先輩方も「なめんなよ!」とご立腹。とは言え、今日はこのくらいにしといてやる、とばかりに撤収していくご一行様。¥3,000回収するために大の男が4人がかりですからね、ヤミ金業者の人件費コストが心配です。

こんなパターンがあと2、3回繰り返されます……。いい加減マサの財布が心配になってきた頃、事態は急展開。一行は古めかしい駄菓子屋を切り盛りする母一人娘一人の借金取り立てに向かいます。そこのお母さんが勝ち気な方で、屈強な男達にも怯まない。ですから一悶着ありながらも、法外な利息を請求する一行を追い払うことに成功するわけです。

一行が去り際、店の棚から転落した商品をマサが拾い、娘さん(原田紗世子)に返してやるのですが、娘さん(役名を忘れたので以降は仮に花子とします)は大きな傷のあるマサの手に見覚えがある。ここでたっぷりと花子の回想シーンが挿入されます。またその回想が“ザ・回想”という趣で、ソフトフォーカスされた公園で一人遊ぶ幼き頃の花子、そこへいじめっ子の男子がやって来てやいのやいの言います。おやめなさいな、みたいな感じで止めに入った中学生時代のマサ、差し伸べられた手はまさに、今ここにある手と瓜二つ。
ちなみにこのザ・回想、本編の中で以降3回ほど使い回されます。

さて、あんなに元気だった駄菓子屋のお母さん、買い出しにスーパーへ行った帰り、原因不明の体調不良に襲われその場にうずくまってしまいます。そこへ偶然にも現れたのは我等がマサ!歌舞伎の合いの手みたく「よっ、ご都合主義!」などと言ってはいけません。マサには当然、救急車を呼ぶなんて発想はなく、有無を言わさずお母さんを背負って近くの病院へ駆けていきます。

そんなきっかけを経て、マサと花子はお近づきに。マサ行きつけのオカマバー『ファニーフェイス』で二人はささやかなディナーを楽しみます。もう逐一こんなところで立ち止まりたくはないのですが、そのディナーのメニューというのがまた常軌を逸していて、サンドイッチとオレンジジュースだったりするんです……。勘弁してくれ、と。んなわきゃねぇだろ、と思うのですが、奇才、大仁田監督はその手を緩めようとはしません。
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