愛の巴投げ無節操で無責任な映画レビュー

| CALENDAR | RECOMMEND | ENTRY | COMMENT | TRACKBACK | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS |
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | - | posted by スポンサードリンク -
ボーン・アルティメイタム 04:51
監督:ポール・グリーングラス
脚本:トニー・ギルロイ、スコット・Z・バーンズ、ジョージ・ノルフィ
原作:ロバート・ラドラム
出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン、パディ・コンシダイン、アルバート・フィニー、ジョーン・アレン、ジョーイ・アンサー、エドガー・ラミレス

どうなんでしょうねぇ、全編通してほぼノンストップ・ハイテンションなわけですが。確かに前半の新聞記者が駅で追い詰められていくシーンなんかはグリーングラス節が炸裂していて迫力満点だし、その顛末もまたリアリティがあって面白いと思ったのは事実。では何が引っ掛かるのかと言うと、それはポール・グリーングラス監督の前二作『ボーン・スプレマシー』、『ユナイテッド93』でも強く感じたように、印象的な画がほぼ皆無であるということ。すなわち、ボーン・シリーズのような荒唐無稽なお話でも、さらには『ユナイテッド93』のように極限までリアリティーを追求した場合でも、まるでテレビの報道カメラのごとき切り取り方によってある程度の水準をクリアすること、物語=フィクションを構築することが可能である、とポール・グリーングラス監督は確信を得たのに違いないわけで。

なるほど確かにその甲斐あって先述した駅での攻防や、ハリウッド映画においては白眉とも言える格闘シーン(まあでも、この手の撮り方なら深作欣二監督がいますからねぇ)、カーチェイスなど目を見張る描写は冴えている。しかしながら、少なくとも私には本作を観終えた後、胸の奥に沈殿し、反芻するような“画”は残らなかった。翻ってそれが映画の良し悪しを決定づける問題なのかと言えば口篭もってしまうのも正直なところではあるのですが、個人的にはやはり寂しい気もするのです。せめてあの手法がアクションに限定されたものであれば、また印象も変わってきたのでしょうが。とは言え、けっしてつまらない映画というわけではないのですが、もう一度観たいという気には残念ながらなりませんでした。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
ヘアスプレー 00:13
評価:
Amazonおすすめ度:
毎日がHappy★
映画館へ6回行きました。
映画も絶対お勧めです!
監督:アダム・シャンクマン
脚本:レスリー・ディクソン、ジョン・ウォーターズ
出演:ニッキー・ブロンスキー、ザック・エフロン、ジョン・トラヴォルタ、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、クイーン・ラティファ、アマンダ・バインズ、ジェームズ・マーズデン

ジョン・ウォーターズ先生のオリジナル版はこの際置いておくとして、ブロードウェイ・ミュージカルを下手な小細工無しにここまでストレートに描ききった勇気は素直に賞賛すべきかと。こういうのがアメリカの底力なのかもしれない。古い作品のリメイクなのだから当然キャラクターからストーリーまで(やや露骨なまでに)既視感に溢れていながら2時間以上もの長尺を見せきってしまう仕事ぶりは、これはこれでもう立派なことである。ニッキー・ブロンスキーのコロンコロンとしたダンスや笑顔のキュートっぷりは言うに及ばず、年齢を感じさせないミシェル・ファイファーの美しさ、“売り”の一つでもあるトラボルタの好演も光る。キャスティングはまさしく適材適所。無論、肝心の(と言うか作品の90%以上を占める)歌と踊りも素晴らしい。

余談ながら、上映開始5分前に劇場に入ると、私の二つ隣の席には30歳前後と思しきがっちりした体つきの黒人男性が連れの女性(おそらく日本人)と座っておられた。果たして鑑賞後、彼がどんな感想を抱いたのか、テーマがテーマ(人種差別だとかそういうの)だけにちょっと訊いてみたい気がした。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
ファントマ 危機脱出 20:15
評価:
Amazonおすすめ度:
あのピカソもファンだった、古典パルプフィクションの映像化
笑えます
1964年
監督:アンドレ・ユヌベル
脚本:ピエール・フーコー、ジャン・アラン
原作:マルセル・アラン、ピエール・スーヴェストル
出演:ジャン・マレー、ルイ・ド・フュネス、ミレーヌ・ドモンジョ、ロベール・ダルバン、ジャック・ディナム、マリー・エレーヌ・アルノー

どこからどう見てもスケキヨ君な“百の顔をもつ男”怪盗ファントマシリーズは全体的にコミカルなトーンや、堀ちえみ顔負けのドジでノロマなジューブ警部をはじめ、随所に『ルパン三世』の源流らしきものを感じさせる野暮なツッコミは無用の娯楽映画であり、アクション映画としてもキートンばりのアクロバティックさで大いに楽しませてくれる。特撮ヒーローモノめいたベタなアジトや無個性な配下もご愛嬌。『TAXI』シリーよりもこっちを観るべき。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
パフューム 19:13
評価:
Amazonおすすめ度:
気持ち悪い〜
後半のファンタジーはいただけない・・・?
面白い、おもグロい、おもエロい
2007年公開
監督:トム・ティクヴァ
脚本:アンドリュー・バーキン、ベルント・アイヒンガー、トム・ティクヴァ
原作:パトリック・ジュースキント
出演:ベン・ウィショウ、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン、レイチェル・ハード・ウッド、コリンナ・ハルフォーフ、ジョン・ハート、カロリーネ・ヘアフルト、デヴィッド・コールダー、サイモン・チャンドラー、イェシカ・シュヴァルツ

生々しいオープニングに始まり、“匂い”という視覚的に描くことが困難な題材を扱いながら、しかも荒唐無稽な着地を試み、それが見事に決まっている。ダスティン・ホフマンの店を飛び出してからがややもたつきを感じさせるが、それを差し引いても素晴らしい出来。突出した才能を持つ、いわゆる“天才”のストイックな求道精神の前では倫理観も霞み、それはやがて我々観客の嫌悪感を霧散させ、いつしか彼に肩入れしてしまう仕向けられる。物語中盤で明かされる彼の特異体質という設定もある種、動機の遠因として思わず納得してしまうもので、これまた上手い。またラストにおいては言うに及ばず、前代未聞の人殺しが心血を注いで完成させた香水が、世界を愛で包むという展開の皮肉も、画面を覆う無数の裸体によって映像ならではの説得力を有した。魅力的な原作の幸福な映像化となったことを喜びたい。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
ブロークンフラワーズ 22:48
評価:
Amazonおすすめ度:
哀愁
タバコは禁煙チーバは別 !
終点
2005年
監督/脚本:ジム・ジャームッシュ
出演:ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト、シャロン・ストーン、ジェシカ・ラング、フランシス・コンロイ、ジュリー・デルピー、クロエ・セヴィニー、アレクシス・ジーナ

良し悪しは別にして、まるで神か研究者のように対象を冷徹に観察する近年のガス・ヴァン・サントの視線には体温が感じられず、そのこと自体に共鳴は出来ても、それによって生じる“間”を個人的にはどうしても支持することが出来ずにいます。しかしながら、似て非なるジャームッシュのそれが心地良いのは何故なのかと言えば、やはりそれは退廃的ながらもどこかポジティブで、全体がユーモアのオブラートに包まれているからではないでしょうか。また、『ライフ・アクアティック』の記憶も新しいビル・マーレイ自身がまさしくそうした形容を具現化したような役者であり、このキャスティングによって作品の成功は8割方約束されたようなもの。フレッドペリーのジャージをここまで厭世的に着こなせる奴はそういません。また、あまり好きな女優ではなかったシャロン・ストーンが本作の中では非常にキュートで好感を持ちました。
観終わると、「ああ、アメリカってやっぱり疲れてるんだな」って思いますね。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
プラネット・テラーinグラインドハウス 23:20
2007年
監督/脚本:ロバート・ロドリゲス
出演:ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス、マーリー・シェルトン、ジョシュ・ブローリン、マイケル・ビーン、ジェフ・ファーエイ、ステイシー・ファーガソン、ナヴィーン・アンドリュース、ブルース・ウィリス

幸い、『デス・プルーフ』の時と違い、血迷った老夫婦がいらっしゃらなかったこともあり、誰の目を気にすることもなく、存分にこの下品で猥雑な世界を堪能することが出来ました。偽予告編『マチェーテ』にニヤニヤ笑い、本編では初っ端からのフル・スロットルにアドレナリンは全開。確かに本作のハイ・テンションを経て辿り着く『デス・プルーフ』はまた違った意味を持つのかもしれない。

さて本作、有象無象のゾンビアクション映画としては異例の傑作と言っても過言ではないかと。『シン・シティ』同様、さすがにこの手の作品を撮らせるとロドリゲス監督は上手い。まず、登場人物が多いわりにコミック的なキャラクター描写が功を奏し、無駄な混乱を招くことを上手く回避している。尚且つ、その多い登場人物たちの画面からの消し方、要するに殺す順番が的確で、むしろよくここで殺してくれたと喝采を送りたくなるほど。ただ、欲を言えばもう少し注射器ママに活躍の場を与えてほしかった。

ところで、本作と『デス・プルーフ』は共に“オンナ(たち)”の映画だったわけですが、その人物像はどちらも“ビッチ系”、“やさぐれ系”でした。こうした役が似合う日本の女優って今現在だと土屋アンナさんくらいですかね。沢尻エリカ様はビッチ系というよりブラック・アイドルですし。女優志望の方はこの分野を開拓してはいかがでしょうか。需要もあるでしょうし、何よりライバルが少ない今がチャンスです。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
ヘッケルの死霊 18:16
2005年
監督:ジョン・マクノートン
脚本:ミック・ギャリス
出演:デレク・セシル、ジェラルド・プランケット、ジョン・ポリトー、トム・マクビース、スティーヴ・ベーシック、ミッキー・マウンセル、リーラ・サヴァスタ、ジル・モリソン

引き続きマスターズ・オブ・ホラーの一作。
これはケタケタ笑いながら観るべき内容でしょうね。だってストーリーを掻い摘んで言うと、性欲旺盛な後家さんが亡き夫の生ける屍と夜な夜なハッスルしているという……。これが笑わずにいられましょうか。オチもまあそれしかないよな、という意外性のない無難なものですし。まるで汁男優のように“まぐわい”を取り囲む死霊の群れがなんともシュール。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場 14:35
評価:
Amazonおすすめ度:
イーストウッドの映画は、どれも例外なく素晴らしい!
戦争好きな親父の話
1986年
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジェームズ・カラバトソス
出演:クリント・イーストウッド、マーシャ・メイスン、マリオ・ヴァン・ピーブルズ、エヴェレット・マッギル、モーゼス・ガン、アイリーン・ヘッカート、ボー・スヴェンソン

これ、『戦場の勝利』って副題は間違ってますね。いっそ『ダーティー・ハリーのスクール・ウォーズ』とかにしたほうがしっくりきます。完全に海兵隊のコスプレをした学園モノでしょう。どいつもこいつもステレオタイプなキャラクターはある意味非常に親しみやすい。冒頭でイーストウッド演じる古参兵が星条旗にたっぷりと敬礼するシーンがあるのですが、ここが本作のスタンスを象徴しています。いわゆるアメリカ万歳映画というヤツですね。ですから日本人である私のような者は『ダーティー・ハリーのスクール・ウォーズ』として楽しむ他ありません。

で、そこそこ楽しませてしまうイーストウッドの手腕は評価すべきなんでしょうが、いかんせんこの内容で130分というのはちと長いかと。今現在、本作を観るなら硫黄島二部作と対比させることで新たな発見があるのかもしれませんが、純粋に娯楽作品として作られているのでしょうし、(あるいはベトナム戦争で意気消沈する国民への鼓舞という側面があったにせよ)四の五の言わずこの男汁溢れる世界に身を委ねるのが正しい鑑賞スタイルなのかも。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
ヒストリー・オブ・バイオレンス 15:45
評価:
Amazonおすすめ度:
なかなか
ヴィゴの存在感
その男、(実は)凶暴につき
2005年
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
脚本:ジョシュ・オルソン
出演:ヴィゴー・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート、アシュトン・ホームズ、ピーター・マクニール、スティーブン・マクハティ、ジェリー・クイグリー、スメラ・ケイ、ビル・マクドナルド

クローネンバーグって人はホントに特殊な立ち位置を築いていると思うのですが、この“我が道を往く”感は非常に尊敬したいですね。前作『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』で得意とする精神世界を描ききったからか、本作はこれ以上ないというほどストレートな物語となっています。で、またこれがいいんですよね。余計な描写、演出を一切しない潔さが素晴らしい。本作ではタイトルが指し示すように“暴力”という普遍的なものにスポットが当てられており、さらにそこへ“性”までもが同列に扱われています。それが如実に反映されるのが階段で繰り広げられる夫婦のカラミであり、この荒々しく暴力的な性描写は「これが映画だよ!おっかさん!」と快哉を叫びたくなるほどよく出来ているのです。凡百のピンク映画がこの数十秒間に瞬殺されてしまったと言っても過言ではありません。

暴力の歴史とはすなわち、人間の歴史であり、また西部劇を始めとするハリウッドの歴史=映画の歴史であります。そう考えた時、あの寡黙な(そう言えば主人公の性格も寡黙であった)アンチ・ハリウッド的ラストシーンに震えがとまらない。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by helmetbros -
ファイナル・デッドコースター 17:38
評価:
Amazonおすすめ度:
ちょっと、グロすぎ・・・
パワーダウン
テンポがいい
2006年
監督:ジェームズ・ウォン
脚本:ジェームズ・ウォン、グレン・モーガン
出演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ライアン・メリマン、アマンダ・クルー、クリス・レムチェ、アレックス・ジョンソン、サム・イーストン、テキサス・バトル、シャーラン・シモンズ、クリスタル・ロウ、ジェシー・モス

『デスプルーフ』に出ていたメアリー・エリザベス・ウィンステッドが可愛かったので観てみたんですが、これ、今観るとどうしてもエキスポランドの事故を思い出しちゃいますよねぇ。なので不謹慎にも「いやぁ、面白かったっすぅ」なんて言ったら怒られそうで困ります。まあ、面白かったんですが……。そもそもこのシリーズ自体観るのがはじめてなんですよ。予告とかで興味は持ってたんですが、なかなかご縁がなくて。

なんて言うか、次第に趣向を凝らしたドミノ倒しを見ているような感覚に陥ってきますね。黒人さんがジムで死ぬときのタイミングのずらし方なんかわかってるなぁ、って感じで微笑ましさすら感じます。描写がグロいと評判ですが、恐ろしいのもで慣れって言うんでしょうか、それとも鈍感なだけなのか、もう笑っちゃうんですよね。あっ、もちろん映画だからですよ。昨日観た『デスプルーフ』の事故シーンというか殺害シーンもなかなかスプラッタしていたんですが、男性客の一人が「うわぁぁぁ!」とか言って悲鳴あげてましたからね。それ聞いてこっちが噴出しそうになりましたよ。脇腹つねって我慢しましたけど。もしデートだったら今頃フラれているんじゃないかと心配です。

最初のターゲットとなるギャル二人組のオッパイの“安さ”たるやただごとではない。この辺りもこの種のお手軽映画としての立場、存在意義に自覚的で好感が持てます。ゆっくりとしかし確実に迫りくる恐怖という意味では姿なきゾンビという趣があって面白い。(ってこれは一作目からなんでしょうが、なにせ初見なんで)ファンが多いのにも納得でした。で、肝心のメアリーちゃんですが、カワイイことはカワイイんですが、やっぱりあのチアガールのコスプレ効果なのか、『デスプルーフ』ほどには萌えませんでしたね。そこが残念。
| 映画 ハ行 | comments(0) | trackbacks(1) | posted by helmetbros -
| 1/3 | >>